南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1〜
担当者
柳澤 幾美
他の科目との関連
他学科履修
副題 アメリカの女性はどう「創られた」か
授業概要  アメリカ合衆国独立前の植民地時代から現代まで、近現代のアメリカにおいて女性はどのように「創られて」きたのか、また、「専業主婦」はいつ誕生したのか、そして女性参政権運動、第二波フェミニズム運動など、アメリカの女性の関する歴史を、主に講義を通して学ぶ(2回、ビデオ鑑賞を含む)。それぞれの時代に活躍したさまざまなアメリカ女性についても紹介する。授業に積極的に関与してもらうため、毎授業の終わりには学生の意見、感想、質問など、リアクション・ペーパーを書いてもらう。次の授業の最初の時間に、よいコメントについては紹介し、また、ポイントをついた質問について答える。
学修目標  2008年民主党大統領候補指名争いで注目を集めたヒラリー・クリントン。彼女のように、アメリカの女性は自立している、あるいは強いというイメージがあるが、果たしてそうなのだろうか。この授業では、近現代の中でアメリカの女性が「創られてきた」という事実を知ることが目標である。また、彼女たちがどのようにして今日のような権利を獲得してきたのかを探り、女性の地位獲得は、自然発生的に起こったのではないことも知る。ほんとうに現在のアメリカ女性は男性と同等の権利を獲得しているのか、さらに、現代のアメリカ女性と日本女性が抱える共通の問題も明らかにし、学生自身の身近な問題としても捉えてもらいたい。
授業計画 下記の予定に従って授業を進める。
1. イントロダクション:授業の概要、基本的事項、語句などの説明
2. 植民地時代:「新世界」の女性たち(〜1750)
3. 独立革命:革命の母と娘(1750〜1800)
4. アンテベラム期(南北戦争前):女性の地位、織物工場、奴隷市場(1800〜1860)
5. 南北戦争:変容する境界線、拡大、改革、戦争(1840〜1865)
6. 再建時代:北部・南部、女性の生活の再建(1865〜1890)
7. ビデオ鑑賞:西部の女性
8. 金ぴか時代、大量移民到来:拡大する国の女性たち(1890年代)
9. 革新主義時代、第一次世界大戦:権力と政治、女性(1900〜1920)
10. 繁栄、大恐慌、第二次世界大戦:変容と連続、女性(1920〜1945)
11. 戦後:女性らしさの神話を越えて(1945〜1965)
12. 公民権運動、カウンター・カルチャー:モダン・フェミニズム(1965〜2000)
13. ビデオ鑑賞:20世紀の女性
14. 21世紀のアメリカ女性:第3波フェミニズム?現代女性の抱える問題
15. まとめ、質疑応答
授業時間外の学習(準備学習など) 授業の進行に従って、下記いずれかの参考文献(指定図書を含む)の各回該当箇所を読んでおくこと。
エレン・キャロル・デュボイス、リン・デユメニエル(安武留美他訳)『女性の目からみたアメリカ史』(明石書店、2009年)
有賀夏紀+小檜山ルイ(編)『アメリカ・ジェンダー史研究入門』(青木書店、2010年)
武田 貴子、緒方 房子、 岩本 裕子『アメリカ・フェミニズムのパイオニアたち』(彩流社、2001年)
篠田靖子『アメリカ西部の女性史』(明石書店、1999年)
サラ・M.エヴァンス著(小桧山ルイ他訳)『アメリカの女性の歴史』 (明石書店、1997年)
評価方法 毎回授業後に提出するリアクション・ペーパー45%、期末試験55%にて評価する。
テキスト 教科書は使用しない。プリントで対応する。
その他