南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜
担当者
CAVALLAR Osvaldo
他の科目との関連
他学科履修
副題 欧州中世期社会に於ける秩序の経験:法律の役割と限界。
授業概要  他の日本の大学を真似て南山大学も自分の「Law School」を開いた。こうして数年立つと我々の回りに法律を専攻にした者の数が増えてゆく... 振り返って見ると、十三世紀の大学に於いて「Law」は始めて学問の対象と成り、十四世紀から新職業者の中に法律を専攻にした者が現れ、その数は益々増えてきた。当時の法学者と弁護士の書いたテキストを中心にして、その社会の中に、法律の役割と限界を廻るのはこの講義の目的となる。
本講義に於いて、幾つかの簡単な質問が道標となる。例えば:何故法学部は中世期大学の核心になったのか。何故法学者が人気があったのか。中世期の法の専門家の職倫理概念はどう言うものだったのか。何故法学者等が一般の人々や文明人等の批判を浴びたのか。故法学は困難な分野であるのか。
学修目標 本講義の三つの目的は次である:1)社会に於ける法律の役割と限界を考え直す、2)「legal mind」を鍛える、3)歴史的なテキストやドキュメントの読み方を習う。
授業計画 1) 「Homo: animal symbolicus」(象徴を使用する人間)
2) 紋章と家紋
3) 商標権と著者権
4) 大学生の立場:権利と特権
5) 大学の起源I
6) 大学の起源II
7) 法律の知的職業者:法学者と弁護士
8) 勉強の仕方と勉強の道具
9) 権力の乱用I:Bartolus' De tyranno(専制主義について)
10) 権力の乱用II:C. Salutati's De tyranno(専制主義について)
11)「Due Process」:神の審判から正当裁判へ
12) 環境に関わる法学者I:河川の問題
13) 環境に関わる法学者II:河川の問題
14) ジェンダー:法学対医学
15) 物語(narrative)としての法律:法学と文学との関係を廻って
授業時間外の学習(準備学習など) J. B. Withe, Heracles' Bow. Essays on the Rhetoric and Poetics of the Law (Madison, 1985)を読むこと。
評価方法 プレセンテーション(40%)とレポート(60%)に基づいて評価する。
テキスト 必要に応じてテキストを配布する。テキストとは、教科書ではなく、歴史的な書類、ドキュメントである。
その他 参考文献
S. F. Moore, Law as Process. An Anthropological Approach (Oxford, 1978).
P. Brooks and P. Gewirtz, Law's Stories. Narrative and Rhetoric in the Law (New Haven, 1996).
ソポクレスの「ピロクテテス」。