学科・教科ごとの目標 外国語学部英米学科 中一種英語
● 外国語学部英米学科(中一種免(英語))
1.教員養成に対する理念
英米学科は、教職課程設置以降これまでに数多くの英語教員免許取得者を社会に送り出してきた。平成26年度までの過去5年間で、中学一種免許取得者128名、高校一種免許取得者189名を教職課程において養成してきた。また、本学科は毎年「英語教員セミナー」という現職英語教員を対象にしたスキルアップのトレーニングを夏休みの3日間を利用して主催してきたが、今年で39回目の開催を迎えた。このセミナーは、これまで多くの教員免許取得者を社会へ送り出してきた学科として、卒業後も何らかの形で教育能力向上を目指した研修の機会を提供したいという趣旨で実施している。
英語を教えるためには、英語が使用されている地域の言語、文化、社会、歴史なども含めて教えることが必要である。そのため、本学科では高度な英語運用能力を養成すると同時に幅広い専門領域の基本的な知識が習得できるようなカリキュラム編成がなされている。また、教職課程科目として認定されている科目に加えて、学科の選択科目として英語教育に密接な関わりを持つ科目を多数開講し、英語を教える専門家の養成に心がけている。さらに、学習指導要領の変更に対応した教育内容の変更も随時実施してきた。 本学科はカリキュラムを通して以下のような人材を育成することを目的としており、英語教員として望ましい資質を養成している。
①グローバル社会で活躍するための高度な英語コミュニケーション能力を持ち、自らの専門分野について英語でプレゼンテーションや討論をする能力を身につけた人
②英語を中心とした言語の研究や、グローバルな視点に立った英語圏の文化や社会の研究に関する専門的な知識を修得し、自ら特定のテーマを選ぶ創造的思考力を持ち、英語で論文を作成する高い語学能力を身につけた人
③ 異文化への理解を深め、広い視野を持って文化の多様性を尊重する態度を学び、国際社会に貢献できるような教養を身につけた人
上記のような人材を育てるために、本学科はネイティヴ・スピーカーによる授業はもちろんのこと、日本人教員が担当する科目においても、講義・演習など英語で行われる科目を提供している。このような授業を通して、英語を英語で教えるという能力・スキルの養成することが目的である。中学では限られた授業時間で英語習得を促す英語インプットをいかに多く提供するかが求められるが、本学科はそのために必要な能力やスキルの養成を目指している。
2.教職課程の設置趣旨
英米学科は、コミュニケーションの道具としての英語、情報化社会におけるコンピュータ・リテラシーと深くかかわりを持つ言語としての英語の習得と研究、および「アメリカ研究」など、英語が話される国や地域の文化と社会の研究をすることを重視したカリキュラムによって、英語教員として必要な資質を身につけることができるような教育課程を提供している。
英語教員として効果的な授業を行い、習得に役立つようなインプットを効果的に提供し、英語で英語の授業を行うために必要となる基本的な要件が高度な英語運用能力であることは言うまでもない。また、英語教育でメディア教材を活用するためには情報リテラシーも欠かせない。本学科1・2年次の英語教育において学生は、「聞く・話す・読む・書く」という4技能を、ディスカッションやプレゼンテーションなどを通してバランスよく練習し、基礎となる英語力を徹底的に学習する。またコンピュータ教室、コンピュータによる授業支援システムを整えたLL教室を活用した授業を通じて、情報化社会にも十分対応できる能力を身につける。さらに英語の運用能力の到達度を確認するために、英語に関わる運用能力を評価することができる試験の受験機会を設けている。
グローバルなコミュニケーションの道具として英語が国際語として広く流通している今日において、英語教授者は、英語が使用されている地域(英語を母語とする地域に限らない)の文化全般についての幅広い知識を備えていなければならない。そこで、本学科3・4年次においては、既に習得した英語力を生かして人文科学、社会科学に関する専門的な学問研究に取り組む教育課程を提供している。言語学、文学、文化研究、コミュニケーション研究、英語教育論、政治、歴史、経済、社会、国際関係などの専門分野において英語をツールとして活用しながら研究を深め、少人数クラス編成による必修の演習科目において卒業論文を作成する。専門的な知識を使って英語で議論し、プレゼンテーションなどを行う授業を通して、英語で物事を考え討論する能力を習得する。また、専門科目として開講している「アメリカ事情実習」などの履修によって、実践的な英語の運用能力の向上を目指すとともに、対象地域の社会・文化についての理解を深める契機を提供している。
英語で苦労している中学生たちの気持ちになるためにも、異文化理解という視点からも、これまで慣れ親しんできた英語以外の外国語を学ぶことには大きな意義がある。英米学科は、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、韓国朝鮮語、インドネシア語、ラテン語、ギリシャ語の計9言語の中から1または2言語を学ぶことを必修とし、多文化共生社会に対応した外国語教育を実施し、十分な異文化対応能力と国際理解力を身につけるための教育課程を提供している。
以上のように、本学科は、「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う」と規定された、中学校学習指導要領(外国語編)の目標を達成できるような教育を行うことができる人材の育成に努力している。