学科・教科ごとの目標 法学部法律学科 高一種公民
● 法学部法律学科(高一種免(公民))
(1)法律学科における教育の特徴
法学部法律学科では、基本六法科目および関連科目、並びに、その他先端的な法分野科目の学習を通して、「人間の尊厳のために」という倫理観・世界観をもち、幅広い法学的素養と法的思考能力をベースに、以下のような能力を学生に身につけさせる。
・優れた社会的適応能力
・社会におけるさまざまな問題について、原因を究明する能力
・それら問題について、多くの解決策を考案し提示する能力
こうした能力を身に付けたうえで、法学部の卒業生は、公務員・会社員・教員など多種多様な職業に就き、あるいは弁護士や裁判官、検察官といった法曹になるべく法科大学院へ進学するなど、さまざまな道に進んでゆく。
このような目標から、学科におけるカリキュラムは、
① 1年次に、基本六法科目の憲法・民法・刑法の基礎的な部分について学ぶ。
② 2年次以降には、さらに六法科目について深く学ぶとともに、情報法、知的財産法、ジェンダーと法などの現代における先端的な法分野科目についても、幅広く学習する。
③さらに2年次以降、知的関心や志望進路に応じた三つの履修モデル(ビジネス職プログラム・行政職プログラム・法律職プログラム)に従って、自由で主体的な履修をし、4年次には、法科大学院への進学や各種法律資格、国家試験を目指す学生は、法学演習E・Fの履修をすることで効率よく必要な学習をすることが可能なように構成している。
④ また学生は、1~4年次まですべての年次に配置されている、少人数の演習(ゼミナール)科目において、社会における様々な問題について自ら考え、意見を述べ、他者と議論を重ねることにより、主体的な学習能力とスキルを身につけることができる。
そのような能力とスキルを通じて、さまざまな問題に対する解決能力として、問題分析スキルおよび問題解決策の考案能力を開発することを可能とする。
(2)「教科に関する科目」とそのねらい
上記のような法律学・政治学の専門的能力を修得することと並行して、高校公民の教員を目指す学生が修得するべき能力を培うために、教科科目として次のようなものを配置している。
「法律学(国際法を含む)、政治学(国際政治を含む)」においては、選択必修として、基礎的な法律科目である「憲法」「民法」「刑法」の導入部分の科目を最低1科目選択させることとして選択必修とし、必ずいずれかの素養は身に付けた教員を養成することとしている。さらに、その他の科目として、「公民」の教職に就くものとして、専門的な法律学・政治学の知識と教養を身につけていることが、法学部卒業生として期待されることを前提に、幅広く法律学科科目の履修を選択できるようにしてある。
「社会学、経済学(国際経済を含む)」においては、科目専門家によって担当されている共通教育開講科目から、「社会学」および「経済学」からの選択必修としていずれかの知識と素養を必ず身につけさせることとしている。さらに、本学の特徴とも言える、人類文化学の知見をも修得することを可能とし、さらに深い知識と教養に基づく教員養成ができるように、「社会学、経済学(国際経済を含む)」に関連する「文化人類学」の科目を履修することも、選択的に認めることとしている。
「哲学、倫理学、宗教学、心理学」においては、これら科目に関する知識と教養を身につけることを可能とするために、それぞれの科目から最低1科目選択させることとし、専門家による共通教育および人文学部の授業を履修可能としている。また、哲学・倫理学の習得については、法律学科科目においても「法哲学」「政治思想史」が適切なものとして存在するため、これらを選択可能として、より「公民」科目の専門的な見地を修得できるように配慮している。
(3)南山大学法学部法律学科が育てる教師像
本学法律学科卒業生が、高校「地理歴史」の担当教員として教職に就く場合に、次のような教師像を構想できる。社会に共通するルールとしての法律の体系と価値について有する十分な素養に基づき、人類に共通する普遍的な価値である「人間の尊厳」を社会の隅々において実現することを目指す、次世代および来世紀の若者を育てる重要な職にまい進する教師である。