00531 政治・経済と人間の尊厳
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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友岡 敏明 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | ナショナリズムと人間の尊厳について考える |
講義内容 | 本講義では「人間の尊厳」を政治・経済の視点から考察する。そのために、人間の営みと深く関わっている政治や経済のあり方、また政治学や経済学などの社会科学的観点から見られる人間の問題に注目し、近・現代の社会に生起している政治的、経済的現象のなかで「人間の尊厳」とナショナリズムの関わりを見極め、両者の逆説的な結び目を考察する。 |
講義計画 | 世界的に認知された原則は、次のように言う。すなわち、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等の、かつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものであるから、そしてこれらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認めて、「すべての人民は、自決の権利を有する(All peoples have the right of self-determination)。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し、ならびにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」(「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」)ことができることを宣言する、と。 しかし、この「尊厳」を実現することの難しさは、歴史が実証している。この講義では国家の独立と人間の尊厳が必らずしも並行して実現しないという「逆説的」な事例を扱うことによって、人間の尊厳の難しさと永遠の課題性について考える。 (1) 人間の「尊厳」の意味 (ア)冒しがたさの根源 (イ)人格の社会性からナショナリズムの実存性へ (2) 第二次世界大戦後の民族自決の動き (ア)チェコ・スロヴァキアの悲願 (イ)ユーゴの解体とその悲惨 (3) アイルランドの例 (ア)マイケル・コリンズ(Michael Collins, 1890−1922)の時代までのアイルランド (イ)コリンズの時代 (ウ)取り残された北アイルランド |
評価方法 | 問題意識への真摯な取り組み、したがって授業への取り組みにおける誠実度を参照し、定期試験における達成度で見る。 |
テキスト | 特に指定しない。 |
その他 |