81222 法哲学B
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選 |
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秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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高橋 広次 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 法哲学概論 |
講義内容 | 法哲学は所与の実定法の効力を自明の前提として受け取るのではなく、いかなる根拠に基づいてこの効力が発生するのか、またいかなる場合にそれが廃棄されるかといった問いを立てる。従って、ときには当該実定法の効力を総体的もしくは部分的に否認し、それへの抵抗権や市民的不服従を唱える理論を構築することもある。この限りで法哲学は、実定法学とある種の緊張関係を孕む可能性を有する。しかし他方、法哲学は地についた議論を展開するため特定の実定法をその考察の出発点にとるが故に、実定法学の成果を看却することは許されない。こうした事情を反映して、法哲学考察は専門法学者と哲学者との双方の側からの共同作業として行われてきている。本講義は、こうした「法哲学と実定法学との対話」を共通の狙いとして執筆されたテキストに沿って、「法と道徳」をはじめ、法哲学上重要なものとして選ばれたテーマ群を取り扱う。 |
講義計画 | 講義は以下の順序に従う。 1. 法哲学とはどういう学問か? 2. 法規の本質構造について 3. 法と道徳との区別と連関をめぐって 4. 自然法論と法実証主義、あるいは「第三の道」? 5. 法価値としての正義──古典的定式とそれへの懐疑、そして復権 6. 法の妥当根拠について──何故に法はひとを拘束する力を有するのか? 7. 新世紀における正義論の課題──多文化主義法理論と環境的正義論 8. 法史の歩みに見る「法化」の過去と行方 |
評価方法 | 成績の評価に際しては、定期試験の結果を重視するが、中間期を見計って実施する小テストの結果をも併わせて考慮にいれる。 |
テキスト | 三島淑臣編『法哲学入門』 成文堂 2003年(第2刷) 【そ の 他】 併せて「法思想史」及び「哲学」の履修が望ましい。 |
その他 |