南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
田中 実
他の科目との関連 民法の財産法関係科目、西洋法史と関連があります。
他学科履修 不可
副題
講義内容  講読科目ですので、参加者の人数や関心などにもよりますが、大陸法系諸国の契約法の基盤をなしているローマ売買法を勉強する予定です。教材としては、2002年に出版された浩瀚な『私法の歴史』(Histoire du droit civil)や、簡便な教科書『ローマ私法』(Droit privromain)(ともに下記のテキスト参照)などを考えています。また、起草者による日本民法のフランス語訳を利用して、とりあげる問題に対応する日本の条文も読もうと思います。
 フランス語の能力がほとんどない受講者にも参加できるように、レヴェルにあわせて、ゆっくりと講読しながら、辞書の使いこなし方、文法事項や構文の把握(英語と違って、語形変化や時制が多く、接続法など初級文法でイヤになる人が多いですが、正確な文を書くことが目的でなければ、英語がフランス語の強い影響の下で洗練されてきたこともあり、単語や文章の構成は驚くほど英語に近いので、講読にあたっての負担は第一印象ほどには大きくありません)をていねいに解説していきます。例年の経験からすると、きちんと勉強した受講者は、普通の辞書と専門用語辞典さえあれば、通年受講(AおよびB)で、ふだん勉強している法律学の議論をフランス語で読めるようになっていきます。明晰なフランス語の法律文に接することは、法的な思考訓練にも役立ちますから、関心のある人は挑戦してほしいと思います。
講義計画  輪読を基本としますが、毎回、次回に講読する箇所について簡単な予備知識を提供します。最初は担当教員の解説が中心となりますが、ある程度の実力がついた段階で、各自の能力に応じて一定範囲の講読を割り当て発表してもらいます。
評価方法 筆記試験は行いません。積極的な参加、輪読の担当箇所の成果が評価の対象です。
テキスト  Jean-Philippe L思y / AndrCastaldo, Histoire du droit civil, Paris, 2002, Bruno Schmidlin / Carlo Augusto Cannata, Droit Privromain, II, Lausanne, 1987 ほか。プリント配布
その他