南山大学

 
指定
期間
通年
単位
年次
3・4
担当者
平林 美紀
他の科目との関連 履修可能な民法関連科目について、可能な限り受講することが望ましい。
他学科履修 不可
副題 民法判例を読む
講義内容  民法を理解する上で、判例理論にも目配りすることは欠かせないが、日々の学習の中で、実際に「判例」を手に取る機会は少ないであろう。また仮に読み始めたとしても、独特の表現や形式にとまどい、理解に至るまで読み通すにはかなりの忍耐を要する。そこで、本演習では、春学期の最初に、判例の読み方に関する基礎的な知識を講義した上で、民法の全範囲を対象として、比較的最近の最高裁判判決を取り上げ、判例研究を行うこととしたい。
 通常、民法の講義科目では、逐条解説的な学習が求められるが、実際に問題となる紛争では、民法のさまざまな条文・分野が関連している。たとえば、物権法上の論点である背信的悪意者排除の法理が争点になっているとしても、そのような紛争が発生する背景には、売買契約の問題(債権法)、相続等の事情(家族法)がある。民法に関してこれまでに得た知識および理解をもとに、法的紛争という実践的な場で、どのような法律解釈が必要であるかを考える機会を提供したい。
講義計画  演習の進め方については受講生の意見を聞いた上で決定するが、毎回1件の最高裁判決を2名程度の報告者から報告を受け、理解を深めていくこととしたい。全員が議論に参加するのは最初は難しいと思われるので、数名のコメンテーターを指定する。それらの者が中心となって議論をリードしてもらいたい。
評価方法 出席状況、担当した報告の内容、議論への参加態度によって、総合的に評価する。
テキスト 研究対象となる判例については、民集等の登載判例集のコピーを適宜配布する。
報告者以外の受講生のために、予習の手がかりとして、『民法判例百選』等の判例教材を適宜指示する。

【そ の 他】 報告担当者にとって十分な準備が必要であることはもちろんであるが、報告者以外の受講生全員が事前に配布された判例に目を通した上で演習に参加することが求められる。
 法律用語、法的な言い回しにとらわれず、自分の頭と言葉で理解するよう意識されたい。
その他