11061 総合政策プロジェクト研究I・II
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必 |
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春学期 秋学期 |
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井上 洋 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 不可 |
副題 | 防災行政論──地震、火山噴火と行政── |
講義内容 | ゼミナール形式の少人数教育で専門領域について理解を深める。各学生が専門領域を深めながら、自分のプロジェクト(テーマ)とする問題を発見するのを手助けし、また問題解決のために必要な知識・理論・データ・手法についてはゼミナールの共通のプロジェクトとして設定し指導する。 |
講義計画 | ここ十年ほどをとってみても、1991年の雲仙普賢岳の噴火、1995年の兵庫県南部地震、そして2000年の三宅島噴火、2004年10月の新潟県中越地震と、わたしたちの社会は、たびたび大規模な地震や火山噴火に出遭ってきた。出遭ってきただけではなく、東海地震や東南海地震の発生が懸念されていることからもわかるように、これからも出遭うであろうことはほぼ確実である。そして、1995年の兵庫県南部地震の記憶をたどるまでもなく、大規模地震や火山噴火は、莫大な人的・物的被害をもたらし、社会や、行政に、大きな影響を及ぼしてきた。 わたしたちひとりひとりは、そしてわたしたちの社会は、大きな災害をもたらすことが懸念される自然現象とどのように向き合っていけばよいのだろうか。それらの自然現象が引き起こす災害を可能な限り減らすにはどうすればよいのだろうか。行政はそれにどうかかわるべきなのであろうか。本プロジェクト研究では、地震・火山噴火と行政というテーマで、上に書いたような問いに取り組んでいきたいと考える。 自然科学者が発する理学的・科学的な情報・知見は、どのようなルートで、どのように選択されて政策化されるのだろうか。政策化に当たって作用するその他の力は何だろうか。政党や官僚制はどう動くのだろうか。一連の過程を経て産出された政策は、理学的・科学的知見から見て、どう評価されるだろうかなど、政策過程を念頭に置きながら、地震防災、火山防災問題を(できるかぎり狭い意味での技術論に陥ることなく)研究する。 具体的な進め方であるが、はじめ(春学期)は、資料収集の仕方、図書館の使い方などについてガイダンスをおこないながら、共通のテキストを2〜3冊ほど読んで(輪番でレポートをつくり、報告し、討論する形式)、主題に関する一定の共通理解を得る。そのあと(秋学期ころから)、各人の問題意識にそって個別研究テーマを設定し、それに即した文献の講読、発表に移る。最終的に、4年次における卒業研究の計画の作成にまで進みたい。 |
評価方法 | ゼミへの参加態度(出席、発言、報告など)を総合的に判断して評価する。 |
テキスト | (1)石橋克彦『大地動乱の時代』(岩波新書、1994年)、(2)神沼克伊・平田光司(監修)『地震予知と社会』(古今書院、2003年)、(3)小山真人「地震学や火山学は、なぜ防災・減災に十分役立たないのか」(『科学』、1999年3月号)、(4)早川由紀夫「現代都市を脅かすカルデラ破局噴火のリスク評価」(『月刊地球』、2003年12月号)など。 |
その他 |