南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
田中 豊
講義題目
開講キャンパス 瀬戸キャンパス
講義内容  漸近理論や統計的決定理論などの伝統的な統計理論とともに、応用を強く意識して開発されてきた統計的手法、たとえばブートストラップ法、ギブス・サンプリング、マルコフチェイン・モンテカルロ法などの理論を取り上げる。工業、医学・薬学、生物学、環境、などの分野への応用にも配慮しつつ講義する。
講義計画 第1回:リサンプリング法の考え方
 本講義全体のねらいと講義計画を説明した後、ジャックナイフ法、クロス・バリデイション法、ブートストラップ法などのリサンプリング法の歴史、考え方と応用について概説する。
第2回:ジャックナイフ法
 ジャックナイフ法による偏り修正と分散推定の考え方とその応用について説明する。
第3回:クロス・バリデイション法
 偏りと分散のトレードオフについて述べた後、クロス・バリデイション法によるモデルの評価・選択の考え方とその応用について説明する。
第4−5回:ブートストラップ法
 ブートストラップ法による偏り修正、分散推定、信頼区間、検定、ならびにモデルの評価・選択の考え方と応用について説明する。
第6−7回:モデル評価・選択
 Kullback-Leibler情報量と赤池の情報量基準について解説し、応用上の立場から、クロス・バリデイション法、ブートストラップ法との利害得失について議論する。
第8回:マルコフチェイン・モンテカルロ(MCMC)法
尤度あるいは事後確率の効率的な計算のため、マルコフチェインを用いたモンテカルロ法が利用され、MCMC法と呼ばれている。マルコフチェインについて説明した後、MCMC法の考え方と応用について解説する。
第9回:MCMC法のアルゴリズム
 Metropolis-Hastingsアルゴリズムとその特殊な場合に相当するGibbsサンプラーについて説明する。
第10回:MCMC法の応用
 工学、医学などの分野におけるMCMC法の応用例について解説する。
第11−12回:まとめと展望
 1−10回のまとめと数理的補足を行った後、取り上げた方法を含めコンピュータ集約的方法の研究と応用について展望する。
 理解を助けるため、適宜、時間内演習およびレポートを課す。
評価方法 演習とレポート、学期末試験により評価する。
テキスト 適宜、資料を配布する。
その他