81471 社会保障法
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選 |
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春学期 |
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2 |
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3・4 |
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豊島 明子 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 転換期における社会保障法制の現状と課題 |
授業概要 | 日本国憲法25条は、全ての国民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されるべきことを定めている。これを具体的に実現するのが、各種の社会保障の法制度である。 この講義では、まず、社会保障という仕事を国家が担うべきとされる根拠について歴史的観点から論じ、社会保障の理念としての憲法25条の意義について明らかにするところから始める。次に、社会保障法という法分野が複数の柱から成り立っているため、それぞれに関する基本的な法のしくみについて、順に述べていくこととする。そこでは、制度のしくみのみならず、運用実態や問題点について、裁判例や行政実務上の問題点にも触れながら論じていくこととする。そしてさらに、現在、日本の社会保障制度は大きな転換期にあると言えるため、福祉や年金等の各社会保障分野における諸改革や改革論の内容について概説し、これらの法的問題点についても論じたい。 |
学修目標 | (1)国家が社会保障を行う意味について理解する。 (2)生存権に基づいて具体化されている各社会保障法制について、その基本的なしくみを理解するとともに、運用の現状と問題点について考えを深める。 (3)現在、日本の社会保障法制が大きな転換期を迎えていることを踏まえ、様々な社会保障制度改革の内容を理解するとともに、問題点を発見し、今後の社会保障法制のあり方について考えるための法的視角を修得する。 |
授業計画 | 以下の項目について論ずる予定である。 第1回 社会保障の歴史と概念 第2回 社会保障と憲法〜朝日訴訟と憲法25条〜 第3回 社会保障の法体系 第4回 社会福祉法制と社会福祉基礎構造改革〜措置から契約へ〜 第5回 高齢者福祉法制 第6回 障害者福祉法制 第7回 児童福祉法制 第8回 公的扶助法制〜生活保護の受給要件と手続〜 第9回 生活保護争訟から見た解釈・運用上の課題(1) 第10回 生活保護争訟から見た解釈・運用上の課題(2) 第11回 年金法制(1) 第12回 年金法制(2) 第13回 医療保険法制(1) 第14回 医療保険法制(2) |
評価方法 | 定期試験による。 |
テキスト | テキストとして、加藤智章ほか著『社会保障法〔第2版〕』(有斐閣)を用いる。 参考文献として、『社会保障判例百選〔第3版〕』(有斐閣)、岩村正彦・菊池馨実『目で見る社会保障教材』(有斐閣)を指定する。 |
その他 | 特になし。 |