南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
阿部 泰明
青柳 宏
講義題目 意味論
開講キャンパス
授業概要  言語表現が持つ意味にまつわるさまざまな問題に対して、言語理論がどう貢献しうるかを論じる。意味と意義、指示のあいまい性、文の意味としての真理値、文字通りの意味とコミュニケーション等、哲学と言語学における伝統的な研究課題を、現代理論言語学の発展との関係において検討する。また、数量詞やWh句を含む演算子の解釈、代名詞の変項としての解釈、統語構造に投射される動詞の語彙概念構造、時制と相、意味表示における事象の位置付けといった統語論と密接に関連する諸問題についても、いくつかを取りあげて、近年の言語理論の成果を考察する。後者は、統語と意味の接点に関する問題を、意味論の視点から論じるものであり、統語論に軸を置いた「言語科学特殊研究 (言語理論) B:統語構造と意味解釈」と相互補完的な内容となる。
学修目標  統語理論の中での論理構造の問題の基礎的理解を目指す。日本語という言語の特性が、この種の問題とどう関わるかを理解することを目指す。
授業計画 (1)語順変換("scrambling")、主題化、焦点化と情報構造(Valluduvi (1992)のInformation Structure)の関係
(2)量化子(Carlson (1977)の"strong" vs "weak" quantifiers)と述語の種類(Kratzer (1989)のS-level and I-level predicates)の相互作用と意味解釈、およびそれに関連する数量詞や事象構造の意味論的検討。
(3)日本語のようなovert determinerのない言語におけるdefinitenessとspecificityの問題。
(4)存在文と所有文
(5)文内および談話における、同一指示の問題。指標と依存関係の理論についての検討。束縛代名詞の問題。
 上記のトピックの中から、受講者の背景や興味などを考慮しつつ、適宜選定し、すすめていく。
評価方法  授業での発表、宿題、学期末レポート。
テキスト  プリント教材を配布する予定。

【その他】 特になし。
その他