94361 行政法制研究
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選 |
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春学期 |
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2 |
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1・2 |
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豊島 明子 |
講義題目 | |
開講キャンパス | 瀬戸キャンパス サテライトキャンパス |
授業概要 | 行政活動は、警察、社会保障、環境保全、まちづくり等、広範な領域にわたるが、これらのほぼ全領域に共通して適用される法制度が、近年、徐々に整備されつつある。そして、行政活動全般に共通して適用される既存の法制度が、大幅に改正される動きも見られる。前者の例としては「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(いわゆる情報公開法)」(1999年)や個人情報保護関係諸法(2003年)の制定が、後者の例としては「行政事件訴訟法」(2004年)や「行政手続法」(2005年)の改正が挙げられる。こうした行政法制の変容の背景には、「官から民へ」というフレーズに象徴されるように、行政の存在理由やわが国の官僚制に対する国民的理解の一定の変化が存在していると言えよう。また、行政法学説においては、これらの行政法制の変容につれて新たな理論動向も登場している。本講義では、行政の存在理由の法的検証という問題関心を持ちつつ、わが国の近年の行政法制の基本理念や法的仕組みについての理解を深めるとともに、これらの諸法制に対し、解釈論と立法論の両面から検討する。 |
学修目標 | 現代行政は、特に'90年代末から現在にかけて、急激に変化している。まず、講義の導入部分では、このような近年の行政の変容状況に対する認識の共有を目指す。その後、現代行政の変容状況の一端を象徴していると考えられる、基本的な行政法制(行政手続法、情報公開法等)の制定背景とその概要、そこにおいて念頭に置かれている行政像等について理解を深めるとともに、制度そのものの課題について考察することを目標とする。そして最終的には、「現代行政の存在理由とは」、「行政への法的統制のあり方とは」といった根本問題を考えるための、法的観点の修得を目指す。 |
授業計画 | 1.わが国における行政法制の変容・概説 2.行政法制の変容の背景(1):1980年代の行政改革 3.行政法制の変容の背景(2):1990年代の行政改革以降 4.行政手続法の立法化と課題 5.情報公開法の立法化と課題:法理念としての「説明責任」とは? 6.地方レベルにおける情報公開条例の発展 7.行政過程の民主化?:パブリック・コメントの登場 8.地方行政における参加・協働という新潮流(1):市民参加条例 9.地方行政における参加・協働という新潮流(2):協働推進条例、自治基本条例 10.2005年行政手続法改正:行政立法手続の創設 11.個人情報保護関係諸法の立法化と課題 12.2004年行政事件訴訟法改正(1):改正の経緯と成果 13.2004年行政事件訴訟法改正(2):今後の課題 14.行政法制の変容と行政の存在理由 |
評価方法 | 期末のレポートによって評価する。 |
テキスト | プリント等を適宜配布する。なお、授業時に、参考文献等を指示することもある。 |
その他 |