00526 思想史に学ぶ人間の尊厳5、6
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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柳澤 田実 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | スタンリー・キューブリックを解読する |
講義内容 | 「我々は、最高の善にも、とてつもない悪にもなり得る。問題は、我々の目的にそのいずれかが見合ったとき、両者の区別がつかなくなることだ」。このように語ったスタンリー・キューブリック(1928−1999)は、二十世紀が生んだ極めて重要な映画監督の一人です。深刻なテーマを題材にしながらも、ユーモアに満ち、卓越した映像美を湛えた彼の作品は、多くの人々に愛され、高い評価を獲得してきました。本講義では、キューブリックの代表作を観賞、解読し、彼が終生取り組み続けた人間の「影」の部分、すなわち悪や暴力という問題について考察を深めます。講義では、映画を解読するために必要な、あるいは解読の導きとなる様々な思想、宗教、歴史的背景を扱います。個々の作品が前提とする広範な知識を学びながら、複雑な要素によって構成されている「悪」にアプローチする方法を、キューブリックから学修します。 |
学修目標 | 悪や暴力を単純に「悪」として退けることの困難さを理解した上で、悪しき行為や行いが、どのような状況、関係性において生じるのかを繊細に分析し、それらを効果的に批判する方法を学修する。また、キューブリック作品が前提としている、西洋社会のユダヤ・キリスト教の宗教的背景、歴史的な時代状況について学修すると同時に、作品分析に有効な哲学や精神分析などの方法についても学ぶ。 |
講義計画 | 1.イントロダクション:スタンリー・キューブリックという人物 2.戦争とシステム(「突撃」) 3.ホモソーシャル(「スパルタカス」など) 4.核とコメディ(「博士の異常な愛情」) 5.道具と殺人(「2001年宇宙の旅」) 6.ロボットと神(「2001年宇宙の旅」) 7.自由意志と悪(「時計仕掛けのオレンジ」) 8.暴力と芸術(「時計仕掛けのオレンジ」) 9.呼応する悪意(「シャイニング」) 10.ホラー映画の効用(「シャイニング」) 11.殺人者への訓練(「フルメタル・ジャケット」) 12.無意識と裏切り(「アイズ ワイド シャット」) 13.夫婦と繁殖性(「アイズ ワイド シャット」) 14.まとめ:キューブリックの問い・キューブリックの答え |
評価方法 | 期末レポート50%と出席50%。毎回部分的に作品鑑賞をし、講義を聴いた上で、各自に映像分析をして頂きます。その内容が出席点に反映されます。 |
テキスト | 毎回プリント資料を配布します。また、参考文献は講義中に紹介します。 |
その他 | 暴力的な場面を含む映像作品を観賞することになりますので、その点を了承の上、受講して下さい。 |