南山大学

 
指定
選必
期間
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
大沢 秀介
他の科目との関連
履修対象学科
副題 現代言語論とそれをつくった人々:「言語論的転回」とは何であったのか
講義内容 20世紀は「言語の世紀」であると言われてきた。20世紀になって哲学の関心の対象も意識から言語へと大きく変化した。この変化には現代論理学および言語学の革命が大きく影響しているが、この革命の原点には20世紀初頭の英国のモダニズムがあった。本講義ではまず、多くのパソコン画像や映画を使って、この英国のモダニズムを紹介する。そのあと身近な日本語や英語の例を引きながら、ウィトゲンシュタインやオースティン、サールの言語哲学およびチョムスキーの言語学を学んで、ことばと人間の本質に迫りたい。
学修目標 ことばについて考えることは人間について考えることである。人間について考えることは人間が生きている社会とその歴史について考えることでもある。それゆえ現代言語論もそれを生み出した歴史や社会とその中で生きる人間たちを無視して研究することはできない。本講義では、単なる「ことば」の面白さや言語哲学の鮮やかな論理だけではなく、なぜ20世紀以後の人間たちが殊更「ことば」に興味を持つようになったのかという問題意識のもとに、「言語論的転回」の持つ深い意味を学ぶことを目標としたい。
講義計画 1.20世紀英国のモダニズム:欺瞞的理想主義への反抗
2.ラッセル、ムーアとケンブリッジ大学使徒会(哲学の問題意識)
3.ケインズ、リットンストレイチーとブルームズベリー・グループ
4.<映画>「キャリントン」
5.ブルームズベリーのウィトゲンシュタイン
6.ラッセルと初期ウィトゲンシュタインの言語論
7.<映画>「ウィトゲンシュタイン」
8.『論理哲学論考』の衝撃とそれが人々にもたらした圧力
9.ウィトゲンシュタインの後期言語論
10.ウィトゲンシュタインとクリプキ:個人言語の問題
11.オースティンの言語行為論
12.サールの言語行為論
13.チョムスキーの言語学
14.人間と言語:チョムスキーの言語習得理論
15.ことばとは:総括と復習
評価方法 レポート50%、出席50%により評価する。
テキスト プリントを用意する
その他