22597 フィールドワーク(文化人類学)I2、II2
|
選 |
|
通年+夏期後半 |
|
4 |
|
2〜4 |
|
吉田 竹也 |
他の科目との関連 | 文化人類学概論A、B、文化人類学A、B(共通)を既習か平行履修することがのぞましい。 |
他学科履修 | 人間文化研究科人類学専攻生のみ可 |
副題 | |
講義内容 | 文化人類学という学問の特徴は、文献研究の成果を、自身の現地調査での資料とつきあわせて、新たな議論の局面を切り開いていくところにある。授業では、まず文献研究によって現地調査の場所とテーマを絞り込み、テーマに適合した調査方法を学んだのち、全員で短期間の現地調査をおこなう。そしてそこで得た資料をあらためて文献研究とつきあわせ、討論・分析し、共同でレポートや報告書にまとめる過程を体験する。共同作業で情報の収集と分析をおこなう手法を学ぶことも、この授業の大切な課題である。 |
学修目標 | 文化人類学の調査研究の醍醐味を体験する。とくに、相手に合わせて柔軟に対応するという、文化人類学的なフィールドワークのコツを学ぶとともに、このフィールドワーク実習をしっかりとしたデスクワークと有機的に結合させる。 |
講義計画 | 文化人類学の調査は、個人もしくは少人数での参与観察とインタビューを比較的長期にわたっておこなうことに特徴がある。もっとも長期の調査を授業でおこなうにはさまざまな困難が伴う。そこでこの授業では、少人数のグループ学習のかたちで、まず春学期に学内で事前の学習を各自の発表をもとにおこなったあとに、夏期に約1週間の調査を学外授業としておこなうことにする。なお調査やそれに伴う研究に関わる出費(旅費、滞在費、資料費など)はすべて履修者の個人負担となる。また調査をやり放しで終了するフィールドワークなどありえないので、秋学期の資料整理作業への参加を義務づける。以上の点を了承し、下記の注意点をよく読んだ上で登録すること。 本来この授業は、各自が作成した研究計画案を全員で検討し、研究テーマや調査地を選定するところからはじめるのだが、今年度は沖縄地域をあらかじめ調査地の候補としておきたいと考える。 まず春学期では、デスクワークとフィールドワークおよびその後の研究についての計画を立て、全員で分担しながら、調査前に必要な知識や調査の方法について勉強し、結果をレポートとして提出する。 学外授業は、8月末あるいは9月上旬の1週間を予定している。現地集合・現地解散とする。もっとも履修者の都合にも配慮するので、正確な日程は後日相談して決める。 なお参考までに昨年度の授業の場合について触れると、現地(石垣島)での滞在費は約4万円、往復の航空運賃が格安のもので約5万円であった。できるだけ出費を押さえるように計画をたてることも、春学期の作業の中に含まれる。 秋学期では、春学期での事前のデスクワークと学外でのフィールドワークの成果とを踏まえつつ、これにあらたな事後的学習を総合したかたちで、各自の発表をおこない、既存の研究にたいして自分たちが何をおこなったのかを評価していく。なおフィールドワークの資料の整理は、グループの作業として授業の外でおこなうことにする予定である。そして一定の段階で研究成果をとりまとめる。 (春) 1. ガイダンス 2. 作業の下準備 3〜13.研究発表と調査地選定作業 14. 確認 15. 総括 (夏期集中) 第1日 集合、ガイダンス、調査の開始 第2日〜第6日 インターヴューとデータ整理、ミーティング 第7日 調査の総括と今後の作業の確認、解散 (秋) 1. 調査後の作業の確認、資料の確認 2〜13.研究発表と調査報告レポートの作成 14. レポート提出と相互チェック 15. 総括 |
評価方法 | 上記の一連の作業に対する取り組み方とレポートを総合的に判断して、評価を出す。調査に当たっては、インタヴューの際のエチケットや人との接し方、団体行動での振る舞いなどが、机上の勉強よりも重要であり、この点も評価の対象とする。 |
テキスト | |
その他 | 〈注意点〉 ・初登録の学生はI2を登録すること。 ・授業の性格上、多人数に履修を認めることは不可能である。履修希望者が適正数をこえる場合は、事前説明会での熱意、面接やレポートなどを基準として、履修者を絞り込む作業をおこなう可能性がある。 ・履修を希望する者は、(1)授業担当教員から事前の説明を受け、(2)その際に指定された方法で予備の登録をしておくこと。 ・この授業の趣旨は、デスクワークとフィールドワークの往復作業を、最初のステップから共同で体験することにある。通常の授業以上に履修者の負担は大きいし(多大の宿題や予習は覚悟すること)、集団行動ゆえの困難も予想される。中途半端な気持ちで履修した者が、授業の円滑な進行を妨害する恐れもある。物見遊山的な参加者や、目的意識の不明確な者、共同作業の苦手な者は登録しないでほしい。逆に時間と労力を惜しまず主体的に取り組む者、授業が終わった後にも任意でさらに継続的な作業に取り組もうとする者を歓迎する。 |