南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
2(秋)〜4
担当者
真塩 敏幸
他の科目との関連
他学科履修
副題 『日本の自動車産業の姿と課題』
−自動車産業100年の歩み:文明(技術)と文化(価値)の観点から−
講義内容 ある産業のポテンシャルを、文化の体系(共有された価値や意味)と文明(構築された技術や道具)を掛け合わせた社会的な影響力と考える時、日本の自動車産業は大きな転換期にある。20世紀を代表する自動車産業は、生産・分配・消費という経済的な営みを支える効率的な市場経済システムに乗って大衆消費社会を牽引してきた。しかし、伝統的な発展の基盤が揺らぎつつあり、真の豊かさとは何か、地球環境問題にどう対応するかなどの新たな価値観の創出や問いかけに真正面から向き合わなくてはならない。また自動車企業の行動様式についても、グローバル時代を迎えて外部環境に適合する部分と主体的に行動する部分のバランスをどうするか難しい舵取りを迫られている。マクロな認識の下で、個別企業はどのような取組みを模索しようとしているのか、トヨタ自動車の事例を中心に整理し、その意味するものを考える。
学修目標 本講義では、理論的視点を踏まえながら、現実の事象と重ね合わせて、新たな認識や洞察の枠組みを導きたいと考えている。こうしたスタイルにチャレンジする目的は、曖昧模糊とした現実の経営環境に対応して、個別企業がどう認識しどのような見通し判断の下に、戦略的行動を選択したのかをありのままに捉えようとするためである。いわば内側から眺める産業論である。学ぶことの面白さ、考えることの楽しさを当事者視点で共有したい。自動車産業が発展する普遍的な道筋というものがあるのか(産業の進化論)、不確実性の下での主体的問題解決といった経営学的な知見を積上げることが最終目標である。
講義計画 1)春秋学期それぞれ14回で構成する。最初の授業で希望テーマのアンケートを実施して大枠のテーマ展開を決める。
2)参加型の授業とするため、テーマに即したグループ討論や個人プレゼンテーションを実施する。活発な内容となるよう事前課題には積極的に取り組んで欲しい。
3)毎回レジメや資料を用意する。
評価方法 期末のテーマレポートと講義での個別発表により評価する。なお、出席回数も参考とする。
テキスト 「競争と革新−自動車産業の企業成長」(東洋経済新報社)、「自動車流通の国際比較」(有斐閣)他。
その他