南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1
担当者
大塚 達朗
講義題目 縄紋土器型式論の今日的課題
開講キャンパス
講義内容  縄紋文化の基幹的認識である縄紋土器一系統説が、今日、どのような問題をはらんでいるかを講義する。まず、縄紋土器一系統説を支える型式の漸進的変化観・型式の異所的布置観を、キメラ土器の存在から再検討する。さらに、型式の漸進的変化観・型式の異所的布置観を支える粘土遍在観・土器自家生産観を、土器製作技法のクセの分析から再検討する。以上の再検討から、型式の非漸進的変化・型式の同所的布置、特定土器製作者集団の存在可能性等を論じて、縄紋土器一系統説に基づかない日本列島先史文化像をあらためて構築する必要性を説く。
学修目標 1.型式の漸進的変化観の問題点を学ぶ。
2.型式の異所的布置観の問題点を学ぶ。
3.粘土の遍在観の問題点を学ぶ。
講義計画 1.加曽利B1式精製式土器の分析(「の」の字単位紋の変化)
2.加曽利B2式精製式土器の分析(三単位突起深鉢と遠部台土器資料)
3.加曽利B3式精製土器の分析(波状口縁深鉢形土器)
4.加曽利B1式粗製土器の分析(西関東と東関東の違い)
5.加曽利B2式粗製土器の分析(縄紋施紋最優先紐線線紋土器の広がり)
6.加曽利B3式粗製土器の分析(縄紋施紋最優先紐線線紋土器の変化)
7.曽谷式精製土器の分析(キメラ土器の登場)
8.曽谷式粗製土器の分析(点列紋のクセ)
9.安行1式精製土器の分析(二肢的二重構造の萌芽)
10.安行2式精製土器の分析(二肢的二重構造の展開)
11.安行1式紐線紋土器の分析(施紋順序の異同)
12.安行2式紐線紋土器の分析(施紋順序の異同)
13.土器社会学の総括(土器製作の分担)
14.社会考古学の必要性(階層化社会論)
15.総括
評価方法 期末レポート100%により評価する。
テキスト 必要に応じて配布する。
その他