南山大学

 

【科目コード】97807

【科目名称】中国の税制

【担当者】林 秀美

【単位数】2                    【配当年次】1秋・2    【開講期】春学期

 

【授業概要】

中国における日本企業、合弁企業などを中心に、中国での企業経営を行う際の税制上の留意点・問題点について包括的に理解する。WTO加盟前の法的整備や改正点について概括し、実際的な運用上の事例について紹介し、グループ・ディスカッションや課題レポート等によりさらに理解を深めていく。また、関連事項として日本企業の中国投資税務などについても適宜紹介する。

【到達目標】

 日本企業が中国においてビジネスを行う際に知っておかなければならない税制について、その法的側面、制度的側面、さらにその他の要素について包括的な理解を得ることを目標とする。特に、中国に進出する場合、現地法規制の把握を中心として、税制上の留意点ならびに問題点、日本企業の投資税務などについての理解を深める。

【授業計画】

 

1.          中国におけるビジネス動向

(1)最近の中国ビジネスの傾向 (2)日本企業の中国におけるビジネス (3)日本以外の外国企業の中国におけるビジネス

2.          中国ビジネスにおける基礎知識(1):金融および株式市場

(1)金融制度および銀行 (2)株式市場とその動向

3.          中国ビジネスにおける基礎知識(2):会計制度および人事管理

(1)会計制度 (2)人事管理と中国人従業員の就業意識

4.          企業形態・中間テスト

(1)中国ビジネスにおける企業形態 (2)中間テスト(1)

5.          企業に対する税金(1)

(1)企業所得税 (2)増値税 (3)実務

6.          企業に対する税金(2)

(1)営業税 (2)関税 (3)それ以外の税 (4)実務

7.          移転価格税制(1)

(1)中国における移転価格税制の紹介 (2)日本との比較 (3)実務

8.          日中租税条約(1)

(1)定義 (2)実務

9.          外国投資企業に対する税制

(1)税制優遇範囲 (2)中国の中央・地方税制当局の基本的方針

10.       個人に対する税制・中間テスト

(1)個人所得税 (2)外国人に対する課税 (3)中間テスト

11.       日本企業の中国投資趨勢

(1)昨今の日本企業の投資増加 (2)投資の方式 (3)中国税制当局の基本的姿勢

12.       WTO加盟と法的整備

(1)WTO加盟への道のり (2)WTO加盟前の税法整備および改正点 (3)今後の動向

13.       実習

(1)中国ビジネスを行う日本企業の税務実習 (2)中国税務コンサルテーションへのヒント

14.       まとめと復習

(1)重要ポイントの再点検

 

【評価方法】

筆記試験 20

 中間試験(1) 10

 中間試験(2) 10

提出物 50

 課題レポートなど

クラスへの貢献度 30%

 ディスカッションへの参加度[必須。発言が少ない場合は単位を与えない]

【テキスト】

現在のところ、適切なテキストが出版されておらず、また、守秘義務がある内部資料のみのため未定。開講までに優れた日本語テキストが出版された場合にはそれを採用することもある。なお、必要な資料は随時講義中に配布する。

【参考文献】

上記の理由により未定。

【備考】

以上の内容はあくまでも予定であり、受講者の習熟度や希望によって変更する場合がある。宿題としてリーディング・アサインメントを必ず課す。ディスカッションへの参加は必須であるので、発言が皆無もしくは少ない受講者には単位を与えない。