南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
3
担当者
村松 久良光
他の科目との関連 マクロ経済学、ミクロ経済学、経済政策論、労働経済論、総合政策I(現代企業論)、
総合政策論II(人的資本論)、総合政策論III(労働問題と政策)、経営労務論
他学科履修 不可
副題 労働経済学:マクロ経済、労働市場と雇用システムの国際比較
講義内容 プロジェクト研究テーマの設定理由と内容
 今、最も問題になっている若年層の失業問題、女性の働き方と少子化問題、どれをとっても、マクロ経済の視点、労働市場の視点、そして企業の雇用システムを総合的に見ていくことが大事である。しかも、日本だけを見るのではなく、米国、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンなどの先進諸国との比較の視点を持ち、さらに、中国、韓国、台湾、東南アジア諸国も視野に入れて研究し、日本の雇用政策を検討する上で参考にしたい。
学修目標 マクロ経済と雇用システムに関して、日本と海外の主だった国について基本を理解する。次に、受講生の関心のある国について基本文献を調べて発表・討論して、プロジェクト研究III・IVにおける卒業論文の準備を行う。
講義計画 a.3年次春学期では、最近の問題であり、学生にとって関心の深い「若者の働き方」をテーマとして、  熊沢誠『若者が働くとき』(ミネルヴァ書房、2006年2月)を輪読し、日本に関して理解を深め、討論する。
b.夏期合宿から10月にかけて、「女性の働き方」をテーマとして、柴山恵美子ほか編著『世界の女性労働』(ミネルヴァ書房、2005年9月)を用いて、先進諸国やアジア諸国の雇用システムを学ぶ。
c.夏期の課題として、関心のある国を1国選んで、その国の経済、労働事情に関する最初のレポートを作成する。さらに、自宅または帰省先の近くの「ハローワーク(公共職業安定所)」を訪問し、それに関するレポートも作成する。
d.3年次秋学期11月以降、提出されたレポートをもとに、さらに文献やデータを収集し、発表、討論を行い、4年次におけるカントリーレポート作成につなげていく。
プロジェクト研究I
 1.オリエンテーションと自己紹介 
 2.『若者が働くとき』序章、発表と質疑討論
 3.1章「若者労働の状況と背景」1節、4.2節
 5.2章「状況のもたらす社会的影響」1節、6.2節
 7.3章「若年労働 状況変革へのチャレンジ」1,2節、8.3節
 9.4章「教室と職場」1,2節、10.3節
 11.補章「フリーター漂流」             
 12.終章「いま若者たちにとって仕事とはなにか」1節、13.2節
 14.まとめと夏期休暇の課題
 15.定期試験(レポート)
プロジェクト研究II
 1.『世界の女性労働』の3章「韓国の女性労働」発表と質疑・討論
 2.4章「タイの女性労働」、
 3.5章「アメリカの女性労働」
 4.6章「フランスの女性労働」
 5.図書館文献検索研修
 6〜13.各自のカントリーレポートの発表と質疑・討論、2名
 14.まとめと春休みの課題説明
 15.定期試験(レポート)
評価方法 授業熱心度(30%)とレポートの評価(70%)
テキスト 熊沢誠『若者が働くとき』(ミネルヴァ書房、2006年2月)
柴山恵美子ほか編著『世界の女性労働』(ミネルヴァ書房、2005年9月)
その他 受講生は、外国のうち、1、2カ国を特定し、どういう動機でその国に関して強く関心を持ったか、そして経済、社会、文化など、それに関連した本を読み、自分なりに調べ、その国はどのような経済基盤のもとで、どのような発展状況にあり、現在抱えている問題は何かなどをつかんでおくことが望ましい。将来の進路に直接結びつくわけではないが、日本および他国の経済・労働事情に関心を持ち、ある国について積極的に深く調べ、その国のエキスパートを目指そうとする学生を望む。