06312 環境と倫理問題2,3
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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1〜4 |
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高畑 祐人 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | |
授業概要 | 環境問題が今や確実に解決を迫られていることは間違いない。しかし、何がほんとうに問題であるのかを正しく把握していなければ間違った対応をすることになり、かえって環境を悪化させることになりかねない。また、実際に環境問題を解決するのは技術的・制度的取り組みであるが、その前提には自然環境を保護することは「善」であるという価値判断が置かれている。自然環境の保護を善とするそうした価値判断の根拠について論じるのが環境倫理学という学問である。本講義では、まず、環境保全活動を行なう直接的根拠とされている「持続可能な発展」「自然の権利」の意味を説明し、それをふまえて自然環境の保護を善とする価値観についてどんな議論があるか、を概説する。そこでは「自然中心主義的立場」(自然それ自体のもつ価値のために自然環境を保護する)と「人間中心主義的立場」(人間にとっての自然の価値のために自然環境を保護する)が対立しているが、それぞれの立場の中もさらにさまざまな議論に分かれている。それらの議論の長所と問題点を検討し、自然環境保護にとって適切な倫理的根拠はどんなものかを考えてみたい。 |
学修目標 | 環境保護と一言で言ってもさまざまな立場があることを学んでほしい。と同時に、自分はどの考え方を適切と思うのか、考えてみてほしい。とくに、人間中心主義と自然中心主義という対立図式の二つの観点とその組合せが意味していることを把握してほしい。全体を通してとにかく自分で考えることを心がけてほしい(ただやみくもに暗記しても意味はない)。 |
授業計画 | 講義の主な論点 1.なぜ環境「倫理」学か 2.未来世代に対する責任 3.自然の権利 4.人間中心主義・自然中心主義:その二重の観点 5.生態系中心主義 6.ディープエコロジー(全体論) 7.感覚中心主義 8.生命中心主義 9.人間の基本的欲求を根拠とする議論 10.身体的快楽を根拠とする議論 11.故郷としての意味 12.教育的意義を根拠とする議論 13.自然の美的価値を根拠とする議論 14.総括 15.定期試験 |
評価方法 | 筆記試験100%(持ち込み不可) |
テキスト | 特に指定はしないが参考文献を挙げておく。『環境倫理学のすすめ』(加藤尚武、丸善ライブラリー)、『環境と倫理』(加藤尚武、有斐閣アルマ)、『自然保護を問いなおす』(鬼頭秀一、ちくま新書)。講義の中でも適宜紹介していく。 |
その他 |