南山大学

 
指定
期間
夏期後半
単位
年次
2〜4
担当者
竹市 良成
他の科目との関連 人文学部共通科目20087「生涯学習論2」と同じ
履修対象学科
副題 「学ばされる」社会から「学ぶ」社会へ
授業概要  1965年ポール・ラングランによって生涯教育ないし生涯学習の理念が提唱されてから、既に50年以上が過ぎている。現在、日本では、この理念が国の教育政策の基本理念とされている。1987年の臨教審答申は、今後の教育改革の目標として「個人重視の原則に立って、生涯学習体系への移行を主軸とする教育体系の総合的再編成」を掲げた。
 人類は激動の状況の中で、これからどう未来を生き抜くかに迷っている。教育も「いじめ」、「落ちこぼれ」、「登校拒否」等、数多くの問題に直面して苦悩を続けている。こうした状況の根底には、従来までの考え方では、解決出来ない、もっと根本的対応をせまるものがあるかに考えられる。その一つの糸口は、従来までの「学ばされる」社会とは異なる、主体的に問題解決にのぞむ人間の育成をめざした「学ぶ」社会への転換が必要である。
 この講義では以上の考え方に立っての生涯学習論を述べることになる。
学修目標 この講義で対象とする生涯学習論は、(1)時代や社会の変化に生涯にわたって適応するという側面と(2)生きている限り自己実現を追求し続けるという、2面を持っている。この両者が現在の学校教育にどんな影響を与えるかを考える。
授業計画 1.生涯学習とは
2.なぜ「生涯学習」が必要なのか
3.学習者個々人の“やる気”と“行動力”
4.生涯学習論 前史、コメニウス、コンドルセにみる
5.1965年 ポール・ラングランの生涯教育論提唱
6.R.M.ハンチンズによる学習社会論
7.フォール報告書(「未来の学者」)にみる“開かれた教育”
8.OECD による生涯教育への戦略提案“リカレント教育”
9.E.ジェルピ「生涯教育—抑圧と解放と弁証法」
10.ユネスコ「21世紀教育国際委員会」報告書「学習:秘められた宝」
11.日本における生涯教育論
12.臨時教育審議会とわが国の生涯学習の推進
13.1996年 中教審「21世紀を展望した我が国の教育の在り方」
14.まとめ、E.フロムの“To have or To be”にたちかえって
15.試験
評価方法 通常の試験
テキスト 参考文献を適宜、講義の中で紹介する。
その他