【科目コード】97627
【科目名称】応用コーポレート・ファイナンス
【担当者】山下 忠康
【単位数】2 【配当年次】1秋・2 【開講期】秋学期
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【授業概要】
本科目は、現代コーポレート・ファイナンスの基本概念を学びながら、企業財務における意思決定を理解することが主な目的である。企業が行う資金調達方法、IPO、資本計画、資本構造の決定および金融資産や派生商品を利用するメリットについて紹介する。授業は教科書とケーススタディを教材に使いながら、プレゼンテーション、ディスカッション、講義及び演習を通して投資理論の理解について深める。
【到達目標】
ビジネスの場で生じる様々な問題に対して、もはや従来のビジネス慣行が通用しない時代になろうとしている。経営戦略(特にファイナンス)が関係する問題に対しては、ファイナンスの理論で向き合うことができる能力が求められている。特に、現代ファイナンス理論の主要理論の一つであるCAPM(資本資産価格形成モデル)の重要性、企業経営に大きな影響を持つ資本コストが果たす役割を深く理解すること、理論を活用した企業分析手法を修得することを目標とする。
【授業計画】
1.
ファイナンスの基礎(復習)
(1) 理論と経済経営現象との関係
(2) 現代ファイナンス理論の体系
2.
ファイナンスの基礎(復習)
(1) ファイナンスの重要概念
(2) 投資評価、企業評価
3.
CAPM(復習)
(1) リスク(システマティック・リスク)の考え方
(2) 証券市場線、ベータ係数
4.
MM理論(復習)
(1) 企業価値と資本構成の関係
(2) 資本コストと資金調達方法の関係
5.
資本コスト(復習)
(1) 資本コストの重要性
(2) 株主価値創造経営
(3) EVAとコーポレート・ガバナンス
6.
資本市場のトピック
(1) 新規株式公開と株式非公開化
(2) ブランド評価
7.
企業分析
(1) 財務分析
(2) 競争分析
(3) 将来性分析
8.
事例研究の方法論
(1) 事例研究レポートのまとめ方
(2) 事例研究の趣旨、諸注意、その他
9.
事例研究(1)
(1) A社(家電業界)に関するケース
(2) 学生による報告、ディスカッション
10. 事例研究(2)
(1) B社(医薬品業界)に関するケース
(2) 学生による報告、ディスカッション
11. 事例研究(3)
(1) C社(流通業界)に関するケース
(2) 学生による報告、ディスカッション
12. 事例研究(4)
(1) テーマ設定は自由
(2) 学生による報告、ディスカッション
13. 事例研究(5)
(1) テーマ設定は自由
(2) 学生による報告、ディスカッション
14. 事例研究(6)
(1) テーマ設定は自由
(2) 学生による報告、ディスカッション
15. 全体のまとめ
【評価方法】
提出物 80%
事例研究報告(30%)および期末レポート(50%)の提出
クラスへの貢献度 20%
授業中のディスカッションへの参加態度や発言内容
【参考文献】
阿部大輔・加藤直樹・北川哲雄『証券アナリストのための企業分析(第3版)』東洋経済新報社、
2004年
斎藤静樹監訳『企業分析入門(第2版)』東京大学出版会、2001年
伊藤邦雄『ゼミナール 企業価値評価』日本経済新聞出版社、2007年
【備考】
本科目は、コア科目であるファイナンス基礎で学習した知識を前提に進める。
そのため、初回を含めた5回分(第1回〜第5回)は、ファイナンス基礎の概念等を簡単に復習する。
また、第12回〜第14回の事例研究は、学生側が自由に問題設定し、企業分析を行うものとする。なお、事例研究をベースとする期末レポートは、他の学生、講師からのコメント等を考慮の上、加筆修正し、提出するものとする。事例研究の1人当たり報告時間等は、受講者数等を考慮の上、決定する。
また、外部のゲスト・スピーカーを招くことがある。その場合、シラバスの順序が変更される可能性がある。