【科目コード】97717
【科目名称】広告
【担当者】広瀬 徹
【単位数】2 【配当年次】1秋・2 【開講期】春学期
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【授業概要】
マーケティング戦略の構成要素として重要な位置づけとなる「広告」について、①その定義、②広告市場におけるプレーヤー、③広告機能、④広告業界の変遷とメディア、⑤広告効果の測定、⑥広告と消費者行動の関連などの項目に沿って授業を構成する。特に広告の機能については、マーケティング、コミュニケーション、ブランドの三つの観点から、実際の広告作品、広告事例も授業資料として活用しながら、広告創成のダイナミズムを説き起こしていく。
【到達目標】
マスメディア広告を中心とした従来の広告全般、特にその機能に関する理解を促進させつつ、広告の新しい動向を把握できる感覚を強化し、広告の近未来について俯瞰する能力を養っていく。また広告活動の実際、およびそれを推進するビジネス主体に関しても、十分な知識を与え、広告ビジネスを創生する「人間」への理解を深める。
【授業計画】
1.
最新広告事例の紹介と分析の視点
最近一年間における主要な広告作品を、VTR・プリントで紹介しながら、広告作品そのもの、および広告活動全般を分析する際の視点を提示する。
2.
広告の定義と広告概念の変容
広告概念の多義性について意識させ、社会変化の中で、広告概念が歴史的に変容してきた過程を明らかにする。
3.
広告市場構造とプレーヤー
広告に関する市場データ・資料を紹介し、市場構造の把握とその中で活動するプレーヤーを概念的・実際的に提示する。
4.
広告機能
広告の機能を、3領域《マーケティング/コミュニケーション/ブランド》それぞれについて概説し、理解を図る。
(5〜9 広告の生成プロセス 以下5回にわたって、広告が創られていくプロセスを概念モデルとして提示する。)
5.
広告効果の想定
広告による心理的変容過程に関する理論モデルを解説し、広告効果を想定する際の指標を把握し、消費者行動と広告効果との関係について理解を深める。
6.
広告目標設定
マーケティング計画と広告計画、目標設定基準、広告ターゲットとセグメンテーションなどの項目に関する理解をベースに、簡易的な目標設定を経験させる。
7.
コミュニケーション効果と測定方法
商品カテゴリー別のコミュニケーション効果、広告ブランドに対する消費者態度の変容、ブランド・ポジショニングなどについて理解を深め、効果測定調査についても言及する。
8.
広告媒体選定
広告媒体の特性、媒体計画におけるメディア配分と計画変数、媒体社と広告出稿プロセスなどに関し、極力実際的な活動を紹介する。
9.
広告表現計画
広告表現の決定プロセス、表現戦略の基本、伝達内容・表現アイデア開発、広告の表現手段と期待効果などについて、実際広告に即して解説する。
10. 広告ビジネスの変遷と特性
広告ビジネスの歴史的変遷を紹介し、他の産業と比較して特徴的なビジネス慣行を紹介し、事業の強み・弱みを提示する。
11. 広告会社の組織・構造・機能
広告主・媒体社の間で、広告会社がどのような組織・構造をもって、その機能を果たしているかを提示し、これまでの講義の中間的な総括を行なう。
12. 広告メディアの近未来動向
インターネット広告の拡張、ブログなどのWEB技術の進展による広告メディアの近未来における変化予測・研究を紹介し、予測の視点を確実にさせる。
13. 新しい広告技法
インターネットとマス・メディア広告/プロモーションを融合するクロスメディア、メディアとブランドとのタイアップ(ブランデッド・エンタテインメント)など。
14. マス・メディア業界の動向
マス・メディア四媒体の産業基盤と企業経営情報を紹介し、メディア・コングロマリットの将来的可能性に関する基礎情報への理解を促進する。
15. 広告の将来像に関するディスカッション
これまでの講義を整理し、広告の将来に関し、主要な論点を提示する。論点にもとづき、議論を深め、各々独自の将来イメージを構築させる。
【評価方法】
レポート 60%
15回の講義終了後におけるレポート提出
クラスへの貢献度 20%
授業中のディスカッションへの参加態度と発言内容
小レポート 20%
毎回授業終了時、3分間で記載させる授業集約レポート
【テキスト】
毎回講義資料を作成・配布する。
【参考文献】
嶋村和恵監修『新しい広告』電通、2006年6月
仁科貞文監修『広告心理』電通、2007年9月
小林保彦『広告ビジネスの構造と展開』日本経済新聞社、1998年12月
上條典夫監修『実践マーケティング・コミュニケーションズ』電通、2005年3月