南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
川m 勝
他の科目との関連
他学科履修
副題 史料を通して見る日本近代初期の経済政策
授業概要  「日本経済史A」は、日本資本主義の成立と展開過程を軸にして、江戸時代初期から現在に至る約400年を通史的に概説したのに対して、「日本経済史B」では、明治時代初期の経済政策の実現過程に絞って、史料を読みながら考察していく。
 明治時代初期に展開された殖産興業路線の主導、展開、挫折について、大久保利通を中軸に据えて、政治の動き、政策担当者の思惑、産業化の意識、経済学者やジャーナリストの思想を解明しながら、政治と経済の関係を考える。
学修目標 1.史料を正確に読み、意味を理解する。
2.それぞれの論者の目指したものを理解する。
3.殖産興業政策の各段階の特徴と流れを理解する。
4.殖産興業政策の日本経済史における意義を考える。
授業計画 1.経済史の方法——殖産興業政策とは
〈殖産興業政策の立案〉
2〜3.大隈重信と御雇外人モレル
4〜5.伊藤博文と工部省の設置
〈殖産興業路線の本格化〉
6〜10.大久保利通主導の殖産興業政策
〈殖産興業政策への批判〉
12〜14.田口卯吉の経済思想
15.定期試験
評価方法 史料の読み方についてのレポート、定期試験によって評価する。
テキスト 講義に先立って、「史料」プリントを配布するので、講義の前に読んでおき、疑問箇所、意味のわからないところを明確にした上で、講義に望むこと。

【参考文献】講義を聴くには、この時期(明治時代前期)の日本の政治と経済の流れを理解しておく必要がある。「日本経済史A」を履修していないものは、下記の書物を必ず通読して、時代背景と日本の政治・経済の進行過程を把握しておくこと。
・宮本又郎『新版 日本経済史』放送大学教育振興会、2008年
・三和良一『概説日本経済史 近現代』(第2版)東京大学出版会、2003年
・坂野潤治『近代日本政治史』岩波書店、2006年
その他 講義内容はレジュメにメモするのではなく、講義の進行に沿ってノートを取り、配布した史料と付き合わせて整理し直すようにすること。
講義中、不明な点があれば、いつでも質問して良い。また、講義時間以外でも質問に応じるので、不明点を残しておかないようにすること。
私語をする者は、退席してもらう。