41541 アメリカの歴史
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選 |
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春学期 |
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2 |
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3・4 |
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川島 正樹 |
他の科目との関連 | 「歴史研究の基礎(アメリカ)」を受講しておくことを強く希望する |
他学科履修 | 可 |
副題 | 帝国と市民——1950年代のアメリカ合衆国 |
授業概要 | ソ連との冷戦下で様々な統制を受けつつも、空前の繁栄の時期を迎えた 1950年代のアメリカ合衆国の歴史を内政と外交の諸分野において学び、今日の唯一の覇権国家への出発点における本質的問題を考察します。 |
学修目標 | この授業の目的は、今日わが国ともっとも関係が深い国の一つとなっており、近現代世界史においてもっとも中心的な役割を演じてきた国の一つでもあるアメリカ合衆国の歴史を、とくに「人種」や「ジェンダー」や「富の配分」をめぐる問題を基軸にすえながら概観し、それらに通底する問題点を抉り出し、それらの解決に向けた歴史的視座の確立を目指すことです。この授業では第二次世界大戦後、とりわけ1950年代に注目します。冷戦終結後の今日、圧倒的な軍事力と経済力を背景に、事実上唯一の覇権国家として君臨するアメリカ合衆国は、第二次世界大戦後にどのようにしてその基礎を築いたのでしょうか。どうして「民主政」を標榜しつつ「帝国」への道を歩むことができたのでしょうか。そもそもアメリカ合衆国は「帝国」なのでしょうか。アメリカ合衆国のみならず、関係諸国・地域を含めた、すなわち「帝国」の内外の「市民」の目線から、1950年代の「アメリカ」について学び、今後の不可避的に進展するグローバル社会の新たな倫理構築へ向けた努力の一助となるような授業を目指します。 |
授業計画 | ビデオ教材を織り交ぜながら、米ソ冷戦下の1950年代のアメリカ合衆国の、外交・内政・社会運動の各分野について学びます。より具体的には次のような構成で学びます。下記の「授業概要」の各項目が1回の授業に充当するように進める予定です。 授業概要 (1)はじめに——「民主主義」の国であるアメリカがどうして「帝国」なのか? (第1部:戦後アメリカ社会の活力の源泉をさぐる) (2)ベビーブームと持続的好景気 (3)ビデオ教材視聴——その1 (第2部:「核の時代」の国際政治とアメリカ外交) (4)「核の時代」の人類史的画期性 (5)グアテマラの悲劇 (6)隠され続けた「ヒロシマ」の事実 (7)ビデオ教材視聴——その2 (第3部:アメリカも「外圧」で変わる?) (8)冷戦外交と国内の「人種」差別 (9)市民権運動の始動 (10)ビデオ教材視聴——その3 (第4部:戦後アメリカと女性) (11)参政権獲得後のフェミニズムの苦悩と戦後の女性知識人の模索 (12)おわりに——60年代への眼差し (なお途中で2回のビデオ・ドラマの視聴が加わります。) |
評価方法 | 主に期末の筆記試験の結果としますが、合計3回のビデオ教材の視聴後に求める感想文の評点も適宜加点します。 |
テキスト | 紀平英作編『帝国と市民——苦悩するアメリカ民主政』(山川出版社、2003年) (その他の参考書は適宜授業中に指示する予定) |
その他 |