南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
1・2
担当者
渡邉 学
講義題目 宗教心理学の歴史的展開とその課題
開講キャンパス
授業概要 宗教心理学は心理学に力点を置く立場と宗教に力点を置く立場に大別される。本講義では、後者に力点を置く立場に立って「宗教とは何か」について考えていく。とりわけC.G.ユングの分析心理学とそれ以降の展開についてみていきたい。近年、「宗教と心理学」が並置されて研究されるようになってきている。今日の「心理的人間」(フィリップ・リーフ)という見方を一つの視点として、ニューエイジやポップ・カルチャー、さらには、いわゆるカルト問題をも視野に入れて、現代において宗教的人間がどのように理解されるかを考えていきたい。
学修目標 1)宗教心理学とは何かということを概観する。2)宗教心理学の出発点となった回心論について明らかにする。3)フロイトをはじめとする精神分析の流れにおける宗教心理学的研究を検討する。4)精神分析的宗教心理学の新たな流れである関係論的精神分析について教科書を使って集中的に明らかにする。5)その他、トランスパーソナル心理学やカルト問題について検討する。6)最後に、宗教心理学の課題について検討する。
授業計画 1.宗教心理学とは何か
2.宗教心理学と回心論
3.フロイトの精神分析
4.C.G.ユングの分析心理学
5.エリクソンのアイデンティティ論
6.関係論的精神分析I:関係のモデル
7.関係論的精神分析II:転移と超越
8.関係論的精神分析III:転移と宗教の動態
9.関係論的精神分析IV:転移と変容
10.関係論的精神分析V:聖なるものの精神分析に向けて
11.トランスパーソナル心理学
12.回心論の新たな展開
13.カルト問題と宗教心理学
14.まとめ——宗教心理学の課題
評価方法 授業中の研究発表(30%)と期末レポート(70%)の総合的評価。
テキスト J.W.ジョーンズ著『聖なるものの精神分析』(渡辺学訳、玉川大学出版部)
参考図書
松本滋著『宗教心理学』(東京大学出版会)
その他 受講生が積極的な参加し、主体的な問題意識をもつことが期待される。