【科目コード】97601
【科目名称】国際会計
【担当者】白木 俊彦
【単位数】2 【配当年次】1秋・2 【開講期】秋学期
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【授業概要】
本科目は、会計基準の国際的な調和化及び統一化を目的とする国際財務報告基準の意義と課題について考察する。特に、(1)国際財務報告基準の基礎となる会計フレームワーク、(2)経営のグローバル化に伴う個別問題として為替レート変動の影響に係る会計、特に、外貨の測定尺度性と多通貨会計、機能通貨アプローチ、先物為替予約等のデリバティブ取引の会計など国際会計に関する理論問題について考察する。
【到達目標】
国際的に事業活動を展開する企業が直面する会計問題について理解を深めることを目標としている。ここでは、これまでの財務諸表の理解をもとに国際環境に置かれている企業活動への影響要因を検討し、これまでにも研究されてきた会計問題について掘り下げていく。
【授業計画】
1.
国際会計基準と会計基準の国際的な調和化
(1) 会計基準の差異 (2)
会計基準の国際的な調和化の意義 (3) 国際会計基準委員会の役割
2.
為替レ−ト変動の影響と会計観
(1) 為替レ−ト変動の影響 (2) 会計観と為替レ−ト変動の影響の認識
3.
外貨建取引の記録と多通貨会計
(1) 外貨建取引 とは
(2) 取引発生の認識と記録
(3) 測定通貨と報告通貨
4.
外国通貨と外貨建金銭債権債務の換算
(1) 外国通貨 (2) 外貨建金銭債権債務
5.
外貨建有価証券の評価
(1)
外貨建売買目的有価証券 (2) 外貨建満期保有目的債券 (3) 外貨建その他有価証券
6.
先物為替予約の会計
(1) 為替レ−ト変動リスク (2) 先物為替予約締結時の会計処理 (3) 先物為替予約取引の会計処理 (4) 振当処理
7.
通貨スワップの会計
(1) 通貨スワップと為替レ−ト変動のヘッジ (2) 締結時の会計処理 (3) 決算時の会計処理
8.
通貨オプションの会計
(1)
通貨オプションと為替レ−ト変動のヘッジ (2) 締結時の会計処理 (3) 決算時の会計処理
9.
在外支店の外貨表示財務諸表の換算
(1)
本支店会計 (2) 在外支店の外貨表示財務諸表の換算
10.
在外子会社の外貨表示財務諸表の換算
(1) 在外子会社の機能通貨 (2) 本国通貨が機能通貨の場合 (3) 現地通貨が機能通貨の場合
11.
キャッシュ・フロ−計算書と外貨換算会計
(1)
外貨建キャッシュ・フロ−計算書 (2) 外貨建キャッシュ・フロ−計算書の換算
12.
国際会計基準の外貨換算会計
(1) 国際会計基準第21号
(2) テンポラル法と本国通貨による測定 (3) 決算日レ−ト法と現地通貨による測定
(4) 高インフレーション と換算方法
13.
包括利益計算書と外貨換算会計
(1) 為替レ−ト変動の影響の会計的意義 (2) その他包括利益に含まれる換算差額
14.
米国連結財務諸表の事例研究
(1) 電機 (2) 食品 (3) 化学 (4) 輸送用機器
15.
国際財務報告基準の動向
(1) 日本の対応 (2) 米国の対応 (3) IASBの対応
【評価方法】
筆記試験 50%
提出物 30%
その他 講義への参加度等
以上の内容にしたがって総合的に評価する。
【テキスト】
各国外貨換算会計基準
会計法規集 最新版 中央経済社
【参考文献】
権泰殷 『改訂版国際会計論』創成社 2004年
伊藤眞『外貨建取引・通貨関連デリバティブの会計実務』中央経済社2002年
森田哲彌・白鳥庄之助編著『外貨建取引等会計処理基準詳解』中央経済社1997年
鎌田信夫『新版キャッシュ・フロ−会計の原理』税務経理協会2003年
友杉芳正・安永利啓『財務会計の世界』税務経理協会2005年