南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1
担当者
斎藤 衛
他の科目との関連
他学科履修
副題  人間研究の方法——言語学史を参考にして
授業概要  人間の知識とはいかなるものであるのか、また、それはどのように得られるものなのか。言語学の目的は、言語という人間だれしもが持つ知識を研究対象としつつ、これらの問いを追求することにある。本講義では、言語学史を概観しながら、人間研究の方法について考える。特に、20世紀前半に、人類学の一領域として出発し、論理実証主義哲学、行動主義心理学とともに大きく発展しながらも、その後衰退していったアメリカ構造主義言語学に焦点を当て、言語に関する科学的理論の可能性を検討する。
学修目標  人間とその文化を対象とした研究の方法について、各自が様々な可能性を考慮しながら、探求していくことを目標とする。考える材料を提供するために、言語や文化の「実体」とは何であるのか、言語や文化を科学的に研究することは可能なのか、言語や文化の普遍性と特殊性を適切に捉えることができる理論とはどのようなものであるのか、といった問いを詳細に検討する。
授業計画 1.哲学史における知識の問題
2.科学と人間研究
3.ボアズと総合人類学の構想:「文化の鏡」としての言語
4.アメリカ構造主義言語学:その背景と科学観
5.ブルームフィールドの言語論と方法
6.アメリカ構造主義言語学の限界
7.サピアの文化相対主義
8.サピアの心理主義
9.ヤコブソンとプラハ学派
10.グリーンバーグによる人間言語の普遍性に関する研究
11.言語類型論と言語習得論
12.チョムスキーとハレによる生成文法:知識としての言語
13.生成文法理論の展開
14.人間言語の普遍的性質と言語獲得プロセスを説明しうるモデルの模索
授業時間外の学習(準備学習など)  常に授業で示されたデータを整理し、その意義を確認しながら、言語と文化の研究について考えていることが求められる。
評価方法  試験
テキスト  プリントを配布する。
その他