71607 現代産業論(自動車産業論)1,2
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選 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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2(秋)〜4 |
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真塩 敏幸 |
他の科目との関連 | |
他学科履修 | 可 |
副題 | 『日本の自動車産業の現状と課題』 −自動車産業100年の歩み:文化(価値)と文明(技術)の観点から− |
授業概要 | ある産業のポテンシャルとは、文化の体系(社会的に共有された価値や意味)と文明(構築された技術やハード)で構成された社会経済的なあり様と考えた時、日本の自動車産業は大きな転換期を迎えている。20世紀を代表する自動車産業は、生産・分配・消費という経済基盤を支える市場経済システムに乗って、豊かさを希求する大衆消費社会を牽引してきた。しかし、真の豊かさとは何か、地球環境問題にどう対応するかなど21世紀の新たな価値観問いかけに真正面から向き合わなくてはならない。また個別企業経営の立場からみても、グローバル競争時代を迎えて外部環境に適応するばかりでなく、主体的な行動選択をしていかなくてはならない。こうした歴史認識の下で、個別企業はどのような取組みを模索しようとしているのか、トヨタ自動車の事例や事象を材料に現下の出来事を取り上げて学問的な知見の枠組みで整理し、その意味するものを学生諸君と共に考えて議論する。 |
学修目標 | 1:本講義では、知見議論を踏まえながら、現実の事象と重ね合わせて、認識を深堀し、新たな洞察を導き出したい。こうした仮説発見的スタイルに拘る理由は、曖昧模糊とした現実の経営環境に対応して、個別企業(人)がどのような判断や見通しの元に、戦略的な行動を選択しているのかをできる限りありのままに捉えるためである。 2:現実は、理論的枠組みを当てはめれば充分納得できるようにはなっていない、何でもありの世界である。出来る限り当事者視点に立って未知のテーマに手探りで対峙することが、問題解決能力を育み、視野を豊にすることになる。 3:あるテーマについて考えることは料理に例えれば、どのような構図に照らして考えることは盛り付ける器を用意すること、その上に料理を自らの手で盛り付ける。盛り付けの出来栄えを体験したら、そのレシピを纏めてみる。学生諸君にとっては、苦労することがやがて学ぶことの面白さ、考えることの楽しさに通じると考える。 |
授業計画 | (1) 日本の自動車産業の位置付け(産業論の視点:他産業との比較、産業の歩み) (2) 個別企業の戦略行動(競争戦略・市場戦略と企業行動の具体例) (3) マーケティング論の概要(経営学の考え方、自動車産業における競争戦略と企業行動) (4) マーケティング論の各論(製品開発、価格、流通、売り方など4P戦略) (5) 企業経営の財務(経営計画と事業、企業価値創造と外部環境との関わり) (6) 生産方式(TPSと問題解決手法、製品設計の違いと生産様式の関係) (7) 市場構造と流通政策(商品戦略における主体性確立、顧客価値と製品価値の融合) (8) 企業組織論(マクロ視点:市場取引と組織内外、価値判断基準と企業文化など) (9) 企業組織論(ミクロ視点:リーダーシップ、場作り、人材育成など) (10) 自動車産業の発展パターン(日欧米の自動車産業史、中国自動車産業の可能性と課題) ⑪ グローバル時代の産業立地 ⑫ 事例研究演習その1(ケースメソッドとは)(個人研究とプレゼンテーション) ⑬ その2(個人研究とプレゼンテーション) ⑭ フリーディスカッション(日本の自動車産業の将来をどう見るか→構図と見解) |
授業時間外の学習(準備学習など) | 授業の中で、テーマに応じて履修した内容に基づいて適宜の小論文とプレゼンテーションを行うため、そのための準備や資料収集を行うこと。 |
評価方法 | 1)期末のテーマレポート40%,2)出席率40%,3)個別発表20% |
テキスト | 『競争と革新』『自動車流通の国際比較』『現代経営学講座』『生産マネジメント入門』等。 学内の指定図書コーナーを活用されたい。必要に応じて適宜プリントやVTRを使用する。 |
その他 |