南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
1・2
担当者
大森 正樹
講義題目 場所論と神のエネルゲイア
開講キャンパス
授業概要 14世紀ビザンティンの神学者グレゴリオス・パラマスは神の本質と働き(エネルゲイア)を区別したことでいわゆるヘシカズム論争を引き起こした。そしてその論の正統性はいまだに決着していない。本授業ではその論が正統であるかどうかを問うのではなく、西洋精神史の中でこの論がいかなる意義を有しているかを、近年問題にされることの多い場所論を軸にして考究しようとするものである。その際、特に日本の思想に見られる場所論にも注目し、行き詰ったか見えるヘシカズム論争の突破口を見出したい。
学修目標 講義を通じてグレゴリオス・パラマスの思想に触れるとともに、その説の西洋精神史における位置づけを探ることが目的である。
授業計画 1.グレゴリオス・パラマスの提出した問題(1.聖霊の発出)
2.グレゴリオス・パラマスの提出した問題(2.ヘシカズム論争)
3.場所(場)とは?哲学的観点+自然科学的観点
4.ギリシア哲学における場所(プラトンの場合)
5.ギリシア哲学における場所(新プラトン主義の場合)
6.創造論における場所
7.神の像としての人間論から見た場所
8.再度、聖霊の発出について
9.超越する神と内在する神の問題
10.(附論I)八木誠一の場所論
11.(附論II)日本思想における場所論(西田幾多郎の場合)
12.(附論III)小野寺功の場所論
13.心は神の座(場所)であるか
14.まとめと展望−神の働きと場所
授業時間外の学習(準備学習など) プラトンの『ティマイオス』や創造神学についての予備知識をもっておくこと。
評価方法 授業での質疑、受講姿勢、主席等が20%、期末レポートが80%
テキスト 必要なものはプリントして渡す
その他 特になし