【科目コード】97823
【科目名称】環境報告書分析
【担当者】林 秀美
【単位数】2 【配当年次】1秋・2 【開講期】秋期隔週
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【授業概要】
企業の環境報告書の読解と分析を通して、環境社会における企業の望ましい位置づけや、環境にやさしい企業のありかた、社会的評価の重要性について理解する。まず、企業が環境報告を行う意義および必要性について学び、環境報告を行うことが当該企業への社会的評価にどのように影響を与えるかを理解する。さらに、環境報告書作成上の実務ポイントと留意点として、環境報告書の必要性、環境報告書に関する世界の動向、これらを踏まえて実務上どのように環境報告書を作成すれば良いかについて、環境報告書の記載事項、環境報告書の作成ポイントを事例形成で分かりやすく解説する。他にも国内外を問わず様々な産業・企業がこれまでに公刊してきた環境報告書を複数取りあげ、その内容、構成と長所短所を分析し、ディスカッションなど通じて、それぞれの長短、改善すべきポイントを見極め、実際の環境報告書を作成する上で必須となる実務的インプリケーションを行う。
【到達目標】
現在、企業の公刊する環境報告書(environmental report)は、ステークホルダーのみならず、社会全体に対する企業のあり方を示すマテリアルとして非常に重要な位置づけを得ている。本講義では、様々な業種・企業の環境報告書の読解と分析を通じて、実際に環境報告を行う場合のポイントならびに留意点を、実習を通じて実践的に理解することを目標としている。特に環境経営にご関心の方や、企業の環境関連部門、経理部門、総務部門等の方々にとって本講義が幾ばくかのお役に立てれば幸いに存じる。
【授業計画】
1.
環境報告書とは
(1)様々な定義 (2)歴史に関する考え方 (3)環境報告書の必要性
2.
日本における環境報告書の背景(その1)
(1)産業を取り巻く環境問題の変遷 (2)環境政策の変遷 (3)企業経営の変遷
(4)環境ビジネス分野の拡大
3.
日本における環境報告書の背景(その2)
(1)環境報告書の機能とは (2)一般的報告原則 (3)報告に当っての基本要件
(4)報告書の記載項目について
4.
環境報告書の事例分析(その1)
(1)中部圏企業の実例分析と解説 (2)実習
5.
環境報告書の分析(その2)
大手製造業の環境報告書分析と解説
6. 環境報告書の分析(その3)
大手製造業の環境報告書分析と解説
7.
環境報告書の分析(その4)
製造業の環境報告書分析解説
8.
環境報告書の分析(その5)
非製造業の環境報告書分析と解説
9.
環境報告書の分析(その6)
金融・証券業の環境報告書分析と解説
10.
環境報告書作成実習(その1)
勤務先企業ないし興味のある企業の環境指標収集と報告など
11.
外国企業の環境報告書分析と解説
12.
まとめと復習
【授業時間外の学習(準備学習など)】
講義中に配布した資料等を復習したり、ご自分の興味のある企業に当て嵌めて、異なる企業の立場で色々と考え直すことが望ましい。
【評価方法】
提出物・レポートなど 50%
クラスへの貢献度 50%
【テキスト】
企業の環境報告書のコピーを配布し、それを教科書の代用とする。いわゆる書籍形式のテキストについては未定。なお、必要な資料・環境報告書コピーは随時講義中に配布する。講義内容については受講生の習熟度や希望に応じる。
【参考文献】
特になし。
【備考】
2009年度の企業実例として、INAX(株)、(株)神戸製鉄、味の素(株)、並びにその他の企業の分析を行い、講義の内容の一部として取り上げた。