00513 哲学・倫理学における人間の尊厳3,4
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選必 |
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春学期 秋学期 |
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2 |
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2〜4 |
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中野 清 |
他の科目との関連 | |
履修対象学科 | 全 |
副題 | 一個の人間として生きる |
授業概要 | 「人間の尊厳」の理念はけして自明のことではない。社会の現実の中で、日常の人とのかかわりのなかで「人間の尊厳」を声高に叫んでみても、それは絵空事にすぎないのではないかとも思われる。本講義は、かかる人間の尊厳の理念を、人間とはそもそもどのような存在であるのかの哲学的考察をとおして再検討することを目的とする。本年は、人間存在をモノ・コト・コトバの3つの観点から考察する。(1)身体に象徴される一個のモノとして生存する人間の相貌、(2)さまざまなものや人との関係的出来事のなかでひとつの人生を歩むコトとしての人間の相貌、(3)言葉において世界と出会い新たな出来事を生み出すコトバ的存在としての人間の相貌。この3つの視座から「わたしは一個のひとである」ことの含意を、受講者自身が自らの体験と思いをとおしてさぐってゆくことをめざしている。 |
学修目標 | 1.「人間の尊厳」の理念と課題に気づく 2.人間(ひと)として生きることの意味に気づく 3.自分の思うところを吟味しみずからの答えを見つける |
授業計画 | 序 1.授業案内。問題と方法(「哲学」と「哲学する」の違い)について 2.モノ・コト・コトバ序説(1)ものとことの差異 3.モノ・コト・コトバ序説(2)ことばによる世界認識 I 「モノ」としての人間〜身体とこころ 4.細胞・身体・人像(原子論) 5.構制・運動・イデア(因果論) 6.範疇と物象化(実体論) II 「コト」としての人間〜体験と経験 7.動的平衡説 8.縁起説 9.述語論理 III 「コトバ」としての人間〜言語と人称 10.わたしもあなたも一個の他者である(名づけのはたらき) 11.誰かがわたしに呼びかける(人称の鼓動) 12.だれでもないわたし(無人称・人称・原人称) 結 「他者(ひと)」とともに生きるとき...... 13.ことば(1)正義・闘争・平和——「第3の審級」 14.ことば(2)愛敵・誰か・祈り——「名もなき神」 15.ことば(3)マイ・フィロソフィ *なお、毎回その日のテーマに即した200字程度の課題文の提出をもとめる。 |
授業時間外の学習(準備学習など) | ・各テーマに関して配布する参考資料や紹介する参考文献を読解する。 1.I,II,IIIのテーマに関して配布する参考資料、ならびに紹介する参考文献を読解する。 2.毎回のテーマでとりあげられる問題を自分の体験と照らして考える。 |
評価方法 | ・毎週課す〈テーマ課題文〉は10回以上提出すること、また第8週または第9週に行う〈中間試験〉の解答文を提出することを単位取得の必須条件とする。 ・授業参加度(中間試験の提出を含む)30%、定期試験70%の合計で評価する。 |
テキスト | 担当者が適宜プリントを用意する。 |
その他 |