南山大学

 
指定
選必
期間
春学期
単位
年次
1〜4
担当者
宮川 佳三
他の科目との関連 「国際関係論の基礎」(日本とアメリカ)
履修対象学科
副題 「国際社会と人間の交わり:旧世界と新世界の交わり」
授業概要  人間の歴史は人々の交わりの歴史であると言える。様々な形の交わりがあった。「グローバリゼイション」は結局の所最も複雑な人間の交わりの状態である。それ故に「文化の多様性」であったり「多文化主義」が人類の共有財産であることが今日当り前のようにうたわれる。つまり異なった文化・宗教・民族・思想等に対してより寛容になることがいかに必要であるか、を明確に示している。人々の、国々の交わりは具体的にどのようにして始まったのか?その交わりはどのような結果─例えば、戦争─を、なにゆえに生みだすのか? 戦争のない社会・世界を造り出す努力はどのような形でなされたか? 世界の平和を人間の知恵は生み出すことが出来るのか?
 この講座は人々の違いを超えてより平和な生活空間を造り上げようと、いかに人々は努めてきたかを考えるためのものである。
学修目標 歴史的に人々の交わり、国々の交わりがどのようにおこなわれてきたのかを特に「旧世界」と「新世界」の交わりを知ることで、知識を得させたい。更にアメリカの西半球における行動・意図・結果・影響についても知ってもらい、今日のアメリカの国際社会における意味を考えてもらう。
 戦争と平和の意味。そして平和構築にとって何が重要かをも学ぶ。
授業計画  講義内容は間口が広すぎる印象を与えるが、出来るだけ身近な具体的な事柄を取り上げて、この問題にアプローチしていきたい。
 具体的には、ヨーロッパでの戦争、旧世界と新世界、西半球に於けるヨーロッパ文明と先住民族の文明、「移民の国」アメリカ合衆国に於ける人種問題、人類・民族をめぐる国家間の対立、日米関係等を取り上げ、国際社会と人々の交わりの困難さ、しかしその必要性を考えたい。
 「新しい戦争」と言われている対テロ軍事行動は「文明の衝突」という新しい対立を生みだし、平和への構想にいかなる影響を与えるのだろうか、を考える機会をも持ちたい。そしてこのような状況の国際社会における日本のゆくえを考えたい。次の課題を扱う予定。
1.大航海の時代:スペイン・ポルトガル・オランダ
2.「旧世界」と「新世界」:イギリス・フランスからアメリカ合衆国の誕生
3.「アメリカ人」と「インディアン」、そして奴隷〜人間と文明への視点
4.アメリカ合衆国の発展とヨーロッパ
5.アメリカ合衆国と西半球
6.北米におけるインディアと白人
7.ペリーの日本来航と南北戦争
8.米西戦争とカリブ海
9.19世紀から20世紀への転換期のアメリカの対中南米政策
10.アメリカの海外膨脹と東アジアへの関心
11.1930年代のアメリカの善隣外交
12.第2次世界大戦とラテン・アメリカ
13.冷戦とラテン・アメリカ
14.冷戦後の米ラテン・アメリカ関係
15.ラテン・アメリカ諸国のアメリカからの解放
授業時間外の学習(準備学習など) 毎講義時に案内・指示します。が学生の自主的学習の工夫に期待する。
評価方法 レポートorブック・リヴュー一点(10%)、小テスト(10%)、定期試験(80%)を参考にして評価する。
テキスト 印刷物を用意する。

【参考図書】蓮實重彦・山内昌之編『文明の衝突か、共存か』(東大出版会)
佐伯啓思『人間は進歩してきたのか』(PHP新書)
佐伯啓思『20世紀とは何だったのか』(PHP新書)
ジャン・ボードリヤール『暴力とグローバリゼーション』(NTT出版)
フランク・パヴロフ『茶色の朝』(大月書店)
有賀 賢編著『概説アメリカ外交史』(有斐閣)
講義の中で参考図書を追加する。
その他