南山大学

 
指定
期間
春学期
秋学期
単位
年次
1〜4
担当者
春藤 修二
他の科目との関連
履修対象学科
副題 文科の数学—数学を楽しもう
授業概要  諸君は高校までに実に多くの数学的知識を学んでいる。しかしたとえば有理数とはどのような数であるか適確に答えられない人が多い(考えてみて下さい)。よく知っている対象(数・図形)を用いて、それらについて“考える”ことを講義の目標とする。従って数学の好き嫌い、予備知識などは全く問わないので、これ迄受けてきた数学教育のまとめとして受講を勧めたい。但し「考える」ことを忘れないでほしいと思います。いわゆる計算数学は扱いませんので注意して下さい。
学修目標 参考にする「零の発見」のはしがきにあるように、受講生に数学を「理解」してもらう(ファンになるということです)ことを目標とする。履修前より少しでも数学に親近観がもてれば目標達成と考えてよろしい。
授業計画 上記の目標に向けて、次の項目に従って授業を進める。
I.数について
 (1)数のイメージ
 (2)数体系の拡大
 (3)有理数・実数
 (4)数とは何か──ゼノンのパラドクスをめぐって
II.図形について──ユークリッド「原論」第一巻を中心に。
III.現代数学の観点から
 特に前半部分は経済学部、経営学部で必修的数学科目を履修する諸君にも有用と思われる。数学が嫌いな諸君は併行して履修することが望ましいと担当者は考えます。
 毎回の内容を下記のように分りふるが、昨年度の状況もふまえ変更は当然あり得る。
1.「分数のできない大学生」にならないために
2.数学のイメージ
3.数のイメージ
4.命数法・記数法
5.十進法・二進法
6.数の体系
7.自然数(I)—素数の話題から
8.自然数(II)—素因数分解・最大公約数など
9.ゼロの発見・数体系の拡大
10.整数・有理数—循環小数など
11.ギリシア数学の困惑—は有理数でない
12.実数とは—ゼノンのパラドクス
13.数学の本を読むということ—提出レポートの講評を中心に
14.図形の話題から(I)—ユークリッド「原論」第一巻を読む
15.図形の話題から(II)—非ユークリッド幾何など
授業時間外の学習(準備学習など) 別記の通り、中間レポートの提出を課題としている。履修以前に課すものはない。これまで受けた数学教育のいかんに関らず、巾広く受け入れる。
評価方法 ・定期試験(筆記)を行なう。
・広い意味での数学の本を一冊読み、感想をレポートとして提出することを恒例としてきました。本年度も続けます。
・日常的に授業内容についてレポートを提出する。総合評価を行なう。従来は初回授業時に大略を説明し、履修者との相談により若干の修正を行なうこともあったが、事前に明示せよとのことなので次のように定める。
定期試験50%、「数学の本を読んで」のレポート評価20%、日常のレポート30%
テキスト 特になし。吉田洋一「零の発見」(岩波新書)をひんぱんに引用する。
その他