南山大学

 
指定
期間
春学期
単位
年次
2〜4
担当者
斎藤 衛
他の科目との関連 人類文化学科「言語学概論A」、「言語学概論B」、外国語学部「言語研究の基礎」のうちの少なくとも1科目をすでに履修していること。
他学科履修
副題
授業概要  現代言語学は、言語の科学的研究を通して、人間の「心」を解明することを目的とする。本講義では、チョムスキーの統率・束縛理論 (1981) に至る文法理論の発展を概観し、この研究プロジェクトの意義について検討する。特に、移動現象の統一的説明をめざす過程と、同時に遂行される原理群の整備をとりあげ、理論の発展とはいかなるものであるのかを共に考えていく。英語のデータに基づいて講義を進めるが、随時日本語のデータも紹介して、理論の普遍性を検証する予定である。
学修目標  現在広く仮定されている、原理とパラメターによる統語理論が形成されていく過程を概観することによって、研究の成果のみならず、研究遂行の方法を学ぶ。どのようなデータが理論を発展させる契機となりうるのか、そのようなデータに基づいていかに理論的問題を設定し、解決の方向を探っていくのかを、1970年代の統語論の発展を追体験することを通して習得する。
授業計画 1.文法理論がめざすところ—人間の言語能力の解明
2.規則の体系としての言語—句構造規則
3.下位範疇化のフレームと語彙の挿入
4.変形規則(1):COMPへの移動
5.変形規則(2):主語の位置への移動
6.理論的問題の設定—表示と原理による文法理論
7.X’理論—句構造の型
8.束縛理論—名詞句の照応関係
9.格理論—名詞句の分布
10.COMPのWh素性と移動現象
11.変形規則の統合—Move α
12.統率・束縛理論に向けて—基本的概念としての「統率」
13.PROの定理
14.S構造、論理形式、意味解釈
15.総復習
授業時間外の学習(準備学習など)  授業では、議論を積み上げて、得られた結論を統合しながら、統語理論が形成されていく過程を説明するので、復習は怠らないこと。理解を助けるための課題を数回提出してもらう。
評価方法  練習問題とレポート(20%、80%)
テキスト  参考文献:中村 捷、金子義明、菊地 朗著『生成文法の基礎』、研究者出版、1989.
その他