南山大学

 
指定
期間
秋学期
単位
年次
3・4
担当者
赤壁 弘康
他の科目との関連 ファイナンスA,B、統計学、数学
他学科履修
副題
授業概要  J.M. ケインズがいみじくも明らかにしたように、マネーの介在する現象は「時間」と「不確実性」が本質的に重要な役割を果たします(『一般理論』第17章)。このことは特に、(実物投資であると証券投資であるとを問わず)投資という経済行動によく当てはまります。投資のコストは現時点で発生するのに、そこから得られるであろうキャッシュ・フロー(あるいは収益)は多くの場合、将来の複数期間にまたがって発生し、(現時点では明らかにならない将来に生まれることから)不確実となるからです。本講義は、このような特徴を持つ投資という経済行動を分析するための枠組みを提供することを目的とします。
 実物投資は、証券投資とは違って、ほとんど市場取引がなされません。したがって、いったん投資すると、投下資金は将来生み出されるであろうキャッシュ・フローからしか回収することができません。これが、市場流動性を持つ証券投資との最大の相違点で、実物投資の難しい点でもあります。
 本年度は、伝統的な投資意思決定基準であるDCF法、内部収益率法を説明した後、リアルオプション評価を用いた投資意思決定について講義します。
学修目標 公認会計士試験・証券アナリスト試験の過去問題を積極的に取り入れることによって、このような専門資格試験にも対応できるような分析力を養うことを目指します。
授業計画 (詳細は未定ですが、一応の目安として以下のトピックスを考えています。)
 1)時間価値と割引計算(第1〜第4回)
 2)伝統的な投資プロジェクトの採択基準−DCF法とIRR法−(第5〜8回)
 3)行動の柔軟性とリアルオプション(第9〜12回)
 4)実践への扉(第13〜15回)
 5)中間テスト1回
授業時間外の学習(準備学習など) 1.ファイナンスA,Bの内容を復習しておくこと。
2.統計学・数学の内容を復習しておくこと。
評価方法 レポート(ないし期末試験)40%、中間試験40%、授業参加度(ないし小テスト)20%。ただし、単位修得の必要条件である1/3ルールは厳格に適用します。
テキスト 湊隆幸『事業の意思決定−基礎理論からリアルオプションの実践まで−』技報堂出版
(テキストとは別に補足資料を配布し、ノート講義も行なう予定です。参考書は木島正明ほか『リアルオプションと投資戦略』朝倉書店)
その他 できるだけ厳密に分析する必要から、授業では数学の利用を避けて通ることができません。受講する場合は事前にこのことを了解済みであるとみなします。