81152 ミドル演習
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佐藤 勤 |
他の科目との関連 | 企業法総論、会社法A、会社法B |
他学科履修 | 不可 |
副題 | 企業法務判例研究 |
授業概要 | 企業は、現代の経済活動の主な担い手である。その担い手である企業に関する法律のうち、もっとも重要な位置づけを占める法律が会社法である。 本演習では、この会社法に関する重要判例を材料として、会社法の基本的な知識の理解を深めたうえ、議論を行う。 本演習は、テーマごとに担当者を決め、次のような順序で報告を行い、参加者の質疑応答を交え進める。 (1)そのテーマに関する判例の内容の分析 (2)そのテーマに関する会社法の規整内容 (3)応用事例について検討結果 また、演習期間中に企業関連に関する事件等が発生し、公表された場合には、その事件の解説・法的問題点の報告をすることを要請する。 なお、並行して会社法Aの受講を義務付ける。 |
学修目標 | 1.会社法をより良く理解する。 2.判例を読み、事実関係を整理・分析し、法的論点を抽出する能力を養う。 3.説得力のあるプレゼンテーション能力を養う。 4.日本経済新聞などで公表される企業に関する記事を読み、その内容が理解できる程度の企業に関する法律の基礎知識を身につける。 |
授業計画 | (1)判例研究 1 ガイダンス 2 会社法の基礎知識(講義) 3 法人格の否認 4 ゴルフ場の名称続用と預託金返還義務 5 表見代表取締役と法令責任 6 辞任登記未了の辞任取締役と第三者責任 7 株式会社に対する現物出資行為の詐害行為取消しの可否 8 議決権行使の代理人を株主に限定する定款の効力等 9 株主総会における取締役会の説明義務および議長の議事運営 10 内閣府令に違反する議決権代理行使勧誘と株主総会決議取消事由 11 取締役の説明義務違反による総会決議取消しの訴えと裁量棄却 12 取締役の責任と法令違反 13 銀行の取締役の融資判断についての善管注意義務 14 会社の業績悪化に伴う株価の下落と取締役の不法行為責任 15 公開買付けに対する応募と取締役の善管注意義務 16 株主代表訴訟の対象となる取締役の責任 17 株主平等の原則 18 議決権行使阻止と利益供与 19 違法な自己株式取得による会社の損害 20 新株式発行事項の公示欠缺 21 著しく不公正な方法によってされた新株発行の効力 22 企業組織再編の概要 23 事業の譲渡の意義と株主総会決議の要否 24 特に有利な払込金額による募集株式の発行等 25 経営支配権の確保を目的とする新株予約権の発行が「著しく不公正な方法」に当たる場合 26 一部上場会社において筆頭株主の持株比率を著しく低下させる新株発行について「著しく不公正な方法」によるものと認められなかった事例 27 敵対的買収に対する事前の防衛策としての新株予約権発行の不公正性 28 公開買付けに対する対応策としての新株予約権無償割当ての差止めの可否 29 M&A取引の基本合意書における独占交渉条項等の効力と差止請求の可否 30 M&A取引に関する基本合意書に違反した場合の損害賠償義務等 (2)企業・経済社会の理解 会社法をはじめとした企業にかかる法律に関する出来事は、新聞などの報道に毎日のように掲載されている。そこで、受講者は、授業の前半部分(約20分程度)では、日本経済新聞などに掲載された企業に関する記事の法的分析の報告を行うことを義務付ける。 また、日本証券業協会と東京証券取引所が提携して開発し、提供している教材を利用して、企業に係る法律上の出来事がどのように株価などに影響を与えているのかを、実際に体験してみることも考えている。 |
授業時間外の学習(準備学習など) | 【授業計画】を参照して、【テキスト】において指定した参考書の該当部分を予習しておくこと。 |
評価方法 | 報告内容・報告50%、議論への参加態度20%、レポート30%により、評価する。 |
テキスト | 岩倉正和・佐藤丈史監修『企業法務判例ケーススタディ300【企業組織編】』(金融財政事情研究会、2008年)(定価6400円(税別))。 会社法Aで使用する会社法の教科書(指定がない場合、授業の最初に指定します)、および六法全書。 |
その他 |