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本研究の最終目的は、コレクションを利用し、写真画像からミクロな社会変化を検証することであったが、この奨励金の申請書類にも記したように、まずはコレクションを使用に耐えるような形にすることが先決であった。 |
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友枝コレクションは、昨年3月末に、南山大学に寄贈されたばかりであったので、4万枚以上(申請時には2万枚と記したが、今回の整理でそれをはるかに上回る数字であることが判明した)の写真の精査から作業を開始しなければならなかった。 |
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その際、写真一枚一枚について撮影年月日、場所、対象、撮影者、劣化・退色の有無等を確認し、緊急にデジタル化を要するものとそうでないものとの優先順位を決めた。 |
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上記の作業により、以下の4点が明らかになった。 |
1)文化人類学者・友枝啓泰のフィールド・ワークとテーマの広がりとその変化。 |
2)アンデス研究の動向とその変化。 |
3)アンデス世界の社会変化と政治との関係、また、それがフィールドワークに与える影響。 |
4)画像をコンピュータに入力する際のテクニカルな諸問題とその解決法。 |
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なお、本研究により、コンピュータ入力された画像を、以下の機会に公開した。 |
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*国際ペルー研究者会議(10月14日〜16日):150枚の写真を展示した。 |
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*講演「アンデス世界の記録者として:民族写真の可能性」(12月20日、ラテンアメリカ研究センター主催・人類学博物館・人類学研究所共催)。友枝啓泰自身による解説を交えての講演であった。 |
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本コレクションの文化人類学的意味を考察するとともに、コレクションの全貌を示す資料を「人類学博物館紀要」にまとめた。 |
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本コレクションを用いた展覧会をペルー・リカルドパルマ大学および、メキシコ・国立社会人類学研究所で開催したいとの要請がきている。 |
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