南山大学研究業績 (CD-ROM版)

2005年度　パッヘ研究奨励金Ⅰ-A-２（特定研究助成・特別）研究成果報告書

氏名	長谷川　雅雄	所属	人文学部心理人間学科
研究課題	「虫」についての学際的研究-"腹の虫"を中心に-

研究実績の概要

・	従来より行なっている「虫」観・「虫」像についての探求をさらに進めるために、今回は「虫の居所」と「虫」との関連を明らかにすることを主眼におき以下の研究作業を行なった。
・	「虫の居所」と「虫」との関連を探るうえで、近世期に多く見られた病である「癪」は、格好の考察対象であるとの認識に立ち、「癪」に関する近世医学資料を調べるために、杏雨書屋（大阪）を訪れ、関連文献を閲覧するとともに、必要なものは写真撮影を依頼した。またパッヘ研究奨励金によって江戸期の古医書数冊を入手し、参考資料とすることができた。
・	「癪」の考察に引き続き、「腹の虫」および「胸の虫」の意義を探るために、近世文学ことに浄瑠璃、歌舞伎の脚本、黄表紙、洒落本、読本(よみほん)、浮世草子、仮名草子などから、その用例を抽出し、考察対象とした。
・	以上のようにして収集した資料をもとに、共同研究者と共に繰り返し議論を重ね、「虫の居所」と「虫」との関連について検討、考察を行なった。この研究成果は、『アカデミア』（人文・社会科学編）に発表した。