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曲亭馬琴『南総里見八犬伝』の中で、都市住民を権力的に囲い込まれた空間へと監禁しようとする権力意志に対して、病んだ無意識を回復しようとする試みがどのように物語世界の中で反復されているかを、『南総里見八犬伝』のテクストに即しながら分析を試みた。 |
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上記の問題系列が、同時代のテクスト(平田篤胤や上田秋成など)において、どのように反復され、変容されているのかを分析した。 |
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徳川日本において展開した上記の問題系列が、現代日本の大衆文化の中で反復され、変容されているのかを、宇多田ヒカルや宮崎アニメを対象として分析した。 |
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上記の点に関しては、「『南総里見八犬伝』・曲亭馬琴」(『現代思想』2005年6月臨時増刊)で『南総里見八犬伝』を中心として論じた(ただし、本稿はブックガイドであるので、本研究助成の成果としての表示はしなかった)。 |
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『南総里見八犬伝』の八犬士の牡丹の痣と『もののけ姫』のアシタカの痣との関係について聖痕という観点から分析した。 |
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現代日本の若者の意識に関連して、他者との関係性において傷つくこと、そしてその傷痕からの治癒という問題を焦点として、宇多田ヒカルを対象として分析した。 |
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上記の問題に関連して、宇多田ヒカルや宮崎アニメを教材として使用することの現代史的意味を分析した。 |
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上記の点に関して、「新鮮な無花果のたべかた−危機の中の大学教育−」(『南山日本文化論集』第6号、印刷中)で詳細に論じた。 |