本研究では、生成文法理論誕生以来、常に主要な研究テーマの一つとして取り上げられてきたWH移動の研究の中でも特に有界条件と密接に関わりのある連続/非連続循環的WH移動の仕組みについて生成文法理論の現行モデルであるミニマリスト・プログラムの視点から研究を行なった。現在の理論は、私が同じトピックで研究を行なった1990年代半ばの初期ミニマリスト・プログラムの理論とは多くの点で仮定が大きく異なっており、研究はまず理論的な変化を整理するところから始め、現在、研究の仕上げの段階に入っている。 |
研究は研究計画に従い、第1期ではミニマリスト・プログラムの現行モデルにおいてWH移動がどのように分析されているのか調査した。続く第2期では、第1期の調査結果を受け、理論的な観点から現行モデルにおけるWH移動の取扱いについての評価を行い、現在は第3期の論文作成の時期に入っている。 |
最近の理論の発展の進度は早く、また理論も複雑なため、第1期の調査に当初の予定よりも多くの時間を費やすこととなり、やや研究が遅れ気味であるが、少しでも早い論文の完成を目指している。 |
論文完成後は、まず6月初旬にワシントン大学での言語学講演会にて研究発表を行い、そこでのフィードバックを踏まえて、更に論文の修正を行い、今年度中の公刊を予定している。 |