1、著書と論文 |
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パッへI−A−2の直接の研究成果とは別に、関連の共著を刊行した。これは日本における19世紀後半以降の政教関係の一つの重要課題としての「神道」のうち、とりわけ近年、喧しく議論されている「靖国神社」をめぐってその背景と、今日の論点を概観したものである。関連業績として、ここに挙げておく。 |
Michiaki Okuyama, "Historicizing Modern Shinto: A New Tradition of
Yasukuni Shrine," in Steven Engler and Gregory P. Grieve eds., Historicizing "Tradition" in the Study of Religion. Berlin and New York: Walter de Gruyter, 2005, pp.93-108. |
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パッへI−A−2の直接の研究成果としては、特に第二次世界大戦後の日本における政教関係について、特に昨今の憲法と皇室典範の改正に向けた議論を踏まえて、最高裁の判例について概観した論文を公刊予定である。詳細は、次頁を参照のこと。 |
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2、日仏合同研究集会の開催 |
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本研究プロジェクトについては、パッへI−A−1として申請していたところ、残念ながら採択にはいたらなかったが、当初の共同研究のプロジェクトとして、2005年11月に、財団法人日仏会館・南山宗教文化研究所共催として、日仏合同の研究集会「日仏両国における宗教と政治の関係」を東京・日仏会館にて開催した。 |
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同会議は、11月12‐13日の京都における宗教施設見学に始まり、14日から17日までの東京における宗教施設見学、さらにその14日から16日までの連続セミナーに加えて、17日の公開討論会といった日程で実施された。 |
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東京における宗教施設見学の対象は、靖国神社、明治神宮、代々木モスク、創価学会本部であった。 |
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フランスからの参加者は、国立高等研究院名誉総長Jean Baubérot教授、国立科学研究センターJean-Pierre Berthon研究員、国立高等研究所Valentine
Zuber助教授、リール第二大学Nancy Venel助教授、国立社会科学高等研究院Marie Balasの各氏であった。 |
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日本側の報告者として、南山大学・森千香子講師、愛知学院大学・林淳教授、國學院大學・永井美紀子講師、日本大学・小池靖講師、専修大学・寺戸淳子講師、東京大学・島薗進教授の協力を得た。 |
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17日の公開討論会の開催に当たっては、中央大学・三浦信孝教授の協力を得た。同討論会には、30名ほどの一般参加者があり、活発な討議が行われた。 |
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3、今後の展望 |
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2006年度は、フランスにおいて調査研究を実施する予定である。 |
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また上記、合同研究集会の成功を受け、2006年11月には、日本側研究者の渡仏により、国立高等研究院、国立社会科学高等研究院において、「日仏両国における宗教と政治の関係」第二回研究集会を開催する予定である。 |
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