2005年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・特別)研究成果報告書

  
氏名 池上 久子 所属 総合政策学部総合政策学科
研究課題 フィギュアスケートのバイオメカニクス −高速度ビデオ撮影から得られた映像解析による多回転ジャンプの運動学的研究−

研究実績の概要
 日本ではフィギュアスケートシングルスケーティングの競技人口が最も多く、世界の舞台においても活躍している。最近のシングル日本選手の活躍は目を見張るものがある。グランプリファイナルは6つの国際大会の順位に基づいた得点システムの上位男女各6名の選手が出場して行われるその年の世界で最後の試合である。2005年度グランプリファイナルには男子2名、女子3名の日本選手が出場し、女子選手は優勝、第3位、第4位となった。また、2006年に行われたトリノオリンピックでは荒川静香選手が唯一の金メダルの取得となった。
 2005年から採用された新採点法式は各種の演技に対し評価を完全数値化して、上限のない絶対評価とする方法である。ジャンプ、スピン、ステップなどに細分化された要素ごとに難度に応じた基礎点に、それぞれの出来によって7段階の範囲で点数を加減して採点される演技点から求めたエレメンツスコアーと、プログラム全体に対して評価するコンポーネンツスコアーを加算して採点される。高い得点を得るためにはいかに高難度のジャンプを着実に着地するかが大きな要因となっている
 本研究では、回転数の異なるジャンプ動作に関する分析から得られたデータをもとに回転数の多い高難度のジャンプ動作を成功させるための要因を究明しようとした。そして以下のことが明らかとなった。
1.回転数の多いジャンプの方が滞空時間は長く、重心上昇高が高いことが認められた。
2.回転数の多いジャンプの方が跳躍初速度は必ずしも大きくないが、垂直初速度は大きい傾向があることが示された。
3.高難度のジャンプの成功率を上げるためには、まずは滞空時間を確保することであろう。そのためには垂直初速度を高めて跳躍高を得ることである。
4.身体の回転技術を身につけるとともにジャンプ力を高める必要がありフィギュアスケートのジャンプ動作に対応したトレーニングの導入が必要であることが示唆された。

「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 「フィギュアスケートにおける多回転ジャンプの運動学的研究」 @ 書名  
雑誌名 『総合保健体育科学』 出版社  
巻号 29巻1号 巻号  
発表年月 2006年3月 発表年月  
ページ pp.27〜33 ページ  
著者名 池上 久子、池上 康男、吉岡 伸彦他 著者名  
備考 コピーを提出 備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   出版社  
巻号   巻号  
発表年月   発表年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   出版社  
巻号   巻号  
発表年月   発表年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考