2005年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・特別)研究成果報告書

  
氏名 陳 幹 所属 数理情報学部数理科学科
研究課題 遺伝アルゴリズムを利用した低次元制御器の設計法

研究実績の概要
研究計画時においては「低次元補償器」を「遺伝アルゴリズム」を用いて設計する予定であった。しかし、研究をすすめるうちに、関連する別の問題「加速度制約・速度制約を考慮した目標軌道生成」に興味深い結果が得られた。また、その計算過程も当初は凸問題ではなく、遺伝アルゴリズムを用いる予定であったが、研究が進むにつれて解析解が存在することが判明した。研究計画時における研究対象、取り組み手法とも違ったものになってしまったことを深くお詫びする。
実システムでは、制御対象の物理的限界のために、状態変数や入力になんらかの制約が存在する。また、産業用ロボットなどの力学系では制御対象の物理的限界(制約、能力)とは無関係に、安全上の観点から、各関節の速度(角速度)、加速度(各加速度)などに制約を与えたいという状況も存在する。本報告では力学系を念頭に、安全上の観点から、ステップ信号に対し、あらかじめ与えられた速度制約、加速度制約を考慮した目標軌道を生成するフィードフォワードフィルタを提案している。
目標軌道をオフラインで生成するのではなく、目標値の大きさに簡単な形で依存するフィルタ(アルゴリズム)の形で目標軌道を生成している。これは現実の制御対象に提案法を適用する際に、リアルタイムで軌道を生成できることを意味する。提案するアルゴリズムは連続時間系において表現されており、電子回路などで実装(作成)することが可能である。離散時間系でも提案アルゴリズムを近似することができ、計算機上にも実装できる。離散化されたアルゴリズムも簡単なものであり、計算量も少ない。これは提案アルゴリズムが、産業レベルの意味で現実の制御対象に適用できることを意味している。
計算機上の数値実験と、現実世界に存在する実験機を用いて提案アルゴリズムの有効性を検証している。

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@ 論文題目 「加速度制約・速度制約を考慮した目標軌道生成」 @ 書名  
雑誌名 『電気学会産業応用部門大会』(2006年8月発表予定) 出版社  
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発表年月   発表年月  
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著者名 林、奥田、陳、高見 著者名  
備考 2006年8月発表予定 備考  
A 論文題目   A 書名  
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B 論文題目   B 書名  
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