本研究では、3つの様相論理Grz,S4,GLを対象とし、その標準形の論理式、リンデンバウム代数、およびリンデンバウム代数に対応するexact modelを構成することを目指した。そして、以下の(1)、(2)の結果を得た。 |
(1) |
S4において、互いに非同値な論理式の列 F0, F1, F2, … を帰納的に構成し、S/≡={[F1], [F2], …}を証明した。この等式は、F0, F1, …が標準形の論理式といえることを示している。昨年度はSに強い制限がある場合を証明したが、今年度は、その制限がない、すなわち一般の場合を証明した。さらに、Sが1変数の命題変数のみから構成される場合はそのリンデンバウム代数に対応するexact modelを帰納的に構成できた。 |
(2) |
GrzにおいてSが1つ原始論理式pから構成される論理式の集合の場合、およびGLにおいてSが1つの原始論理式⊥から構成される論理式の集合の場合の(1)と同様の結果は昨年度までの研究で得られている。本研究ではこの2つを比較した。これまで、Grzでの証明可能性をGLで表現する方法は知られていたが、本研究の比較により、対象となる論理式のGLでの証明可能性をGrzで表現する方法を示すことができた。 |
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