2005年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・特別)研究成果報告書

  
氏名 高橋 洋子 所属 数理情報学部数理科学科
研究課題 「防犯モデルマンション」の防犯性能に関する研究

研究実績の概要
□研究の背景と研究経過
 戦後50年,日本の都市部の様相は大きく変化してきた.都市周辺部の既成住宅地では,戸建・長屋等の低層住宅が主導であった地区においても住宅の高層化が徐々に進行している.都市居住の未来を見据えつつ,高層集合住宅居住について問題点を明らかにしていきたいと考えている.この一環として高層集合居住の空間特性と犯罪発生との関連について,現状を把握分析するため,05年度は,「防犯モデルマンション」および既存分譲マンションの入居者に対するアンケート調査を行なう予定であった.しかし,調査を行なうことができず,建築計画学におけるこの種の既往研究の概括と本研究の位置づけを行なうに留まり, 06年度において継続して研究を続け,研究成果を報告していきたい.
□本研究の位置づけ
 欧米では1970年代から防犯とまちづくりに関する研究や事業についての蓄積があり,建築や都市環境と防犯の関係が深いことが明らかになっている.アメリカの建築家Oscar Newman(1972)は,道路や広場について,周辺の住民がそこを自分たちの場所と感じ,そこでのできごとに関心を払っていれば不審者は入り込みにくくなり,犯罪が未然に防がれると主張した.この主張はいわゆる「環境設計による犯罪防止」(Crime Prevention through Environmental Design:CPTED)という建築学の観点からのアプローチであるが,我が国においても近年の犯罪傾向を受けて,様々な対策が進められている.
 そのひとつとして「防犯モデルマンション登録制度」がある.この制度は国の防犯設計指針に基づいて設けられた審査基準にしたがって,専門家による処理審査,竣工後の現場審査を経て,一定の防犯水準を満たしている集合住宅を登録する制度であり,(社)広島県防犯連合会が,1999年に全国で初めて「防犯マンション登録制度」を整備した.登録時の審査は一級建築士に委嘱し,9項目について必須,あるいは推奨基準を設けている.01年度9月静岡県防犯協会登録会で,01年11月から(社)大阪府防犯協会連合会で内容は違いがあるものの,同様の制度を開始している.そのほか,大分県,北海道,京都府でも運用が始まっている.06年4月1日国土交通省は住宅性能表示制度における防犯性能の評価を導入し,全国統一の基準で「防犯優良マンション認定制度」を実施することとなった.このような状況を踏まえ,名古屋都市圏における高層(超高層も含む)集合住宅の防犯環境設計の現状と課題について研究を進めたいと考えている.

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