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2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 | |||||
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氏名 | 鈴木 貴之 | 所属 | 人文学部人類文化学科 | ||
研究課題 | 自然科学的人間理解の哲学的諸問題 | ||||
研究実績の概要 | |||||
自然科学的人間理解にかんするさまざまな哲学的、理論的問題について考察することが、本研究の目的である。今年度はとくに、脳神経科学がわれわれの人間理解や社会実践に与える影響について研究を進めた。 研究は、具体的には以下のように進められた。 ・上記の問題を扱うものとして近年提唱されている神経倫理学という専門領域に着目し、東京大学で開催された研究会や、関連する学会、シンポジウムなどに参加し、この専門領域の問題や論点などにかんする理解を深めた。 ・神経倫理学の諸問題を考察するさいには、生命倫理学における議論が重要な前提知識となる。この点にかんしては、神経倫理学に関係する生命倫理学の文献を調査することによって理解を深めた。 研究の成果は、次の二つの論文として発表された。 ・脳神経科学がわれわれの社会実践に与える影響にかんする事例研究として、神経科学の知見が刑罰制度にどのような影響を与えうるかを考察した。その結果、神経科学の発展によって、刑務所への収監という現在の刑罰制度は大きな変容を被る可能性があるが、このことは犯罪観の根本的な変化にもつながることを明らかにした。以上の成果は論文「神経科学と刑罰」としてまとめられた。 ・もう一つの事例研究として、神経薬理学的な方法を用いた知的能力の増強にかんする倫理的問題を考察した。その結果、そのような増強に反対すべき本質的な理由を見出すことは、遺伝子操作による増強の場合よりも困難であるということが明らかになった。以上の成果は論文「神経薬理学的方法を用いた知的能力の増強−その倫理的諸問題−」としてまとめられた。 なお、本研究は、科学研究費補助金や社会技術開発研究センターの研究資金による研究プロジェクトによって、発展的に継続中である。 |
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「雑誌」の部 | 「図書」の部 | ||||
@ | 論文題目 | 「神経科学と刑罰」 | @ | 書名 | |
雑誌名 | 『UTCP研究論集』 | 出版社 | |||
巻号 | 第8号 | 論文名 | |||
発表年月 | 2007年3月 | 発表年月 | |||
ページ | pp.85〜98 | ページ | |||
著者名 | 鈴木 貴之 | 著者名 | |||
備考 | 備考 | ||||
A | 論文題目 | 「神経薬理学的方法を用いた知的能力の増強−その倫理的諸問題−」 | A | 書名 | |
雑誌名 | 『アカデミア』人文・社会科学編 | 出版社 | |||
巻号 | 第85号 | 論文名 | |||
発表年月 | 印刷中 | 発表年月 | |||
ページ | 印刷中 | ページ | |||
著者名 | 鈴木 貴之 | 著者名 | |||
備考 | 備考 | ||||
B | 論文題目 | B | 書名 | ||
雑誌名 | 出版社 | ||||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
ページ | ページ | ||||
著者名 | 著者名 | ||||
備考 | 備考 |