2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 牛田 千鶴 所属 外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科
研究課題 「ラテンアメリカにおける構造調整政策下の教育改革―ニカラグアの事例を中心として―」
研究実績の概要
 2006年8月にニカラグアおよびグアテマラにおいて10日間の現地調査を実施し、そのときに得た聞き取り調査結果および文献資料の分析に基づき、9月以降は執筆作業を進めた。
 以下、研究経過ならびにその成果に関し具体的に報告する。


)ニカラグアを代表する教育学者である中米大学のフアン・アリエン博士にお目にかかり、貴重なインタビューを実現することができた。1979年に成立したサンディニスタ革命政権と1990年以降続いてきた自由主義諸政権による約30年間の同国教育改革に関する博士のご研究成果として、ありがたいことに3冊ものご著書をご恵贈いただいた。
)ちょうど大統領選挙に向けた選挙キャンペーン期間中だったこともあり、各党の候補者が教育改革に関する具体的ビジョンを提示し子どもたちの代表と議論するという興味深いシンポジウムにも出席する機会を得た。
)地域住民の力で設立されたアシミス小学校(在マナグア市)や、海外のNGOが運営するクリスティン・キング成人学校(在エステリ市)などを訪問し、教師や生徒たちへの聞き取り調査を実施した。あいにく教育省の専門家と話す機会は持てなかったが、駐ニカラグア日本大使にもお目にかかり、ニカラグアの現状に関する最新の情報を拝聴することができた。
)グアテマラでは、JICA事務所にご協力いただき、同国教育省の専門家へのインタビューを行うとともに、日本政府の援助により展開されている「算数プロジェクト」実施校や、先住民児童の多いバイリンガル教育実施校を訪問することができた。(しかしながらグアテマラの事例については、現地調査を通じて人的ネットワークを築けたという収穫はあったものの、論文に纏め上げるには時期尚早といった状況にある。来年度以降の研究でいっそうの資料収集に励み、いずれまた研究成果を発表したいと考えている。)
)現地調査から帰国した後は、インターネット等を通じて引き続きニカラグアの教育改革プロジェクトに関する報告書や各種データの収集を行い、原稿執筆に力を注いだ。
)当初は2007年3月末刊行予定であった共著であるが、一部の執筆者の原稿提出が大幅に遅れ、残念ながら現時点では、まだ初校原稿が仕上がる段階に至ったのみである。2ヶ月遅れとなってしまうが、5月末には晴れて刊行できる見込みである。

 パッへ研究奨励金による今年度の研究成果を踏まえ、ニカラグアの教育改革の動向に関し、今後とも高い関心を持って注視していきたいと考える。
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 @ 書名 『ラテンアメリカの教育改革』(仮題)
雑誌名 出版社 行路社
巻号 論文名 「ニカラグアにおける“民衆教育”以後の社会状況と教育実践」
発表年月 発表年月
ページ ページ 約20ページ分
著者名 著者名 斉藤 泰雄・江原 裕美ほか10名の共著(牛田:編者)
備考   備考 現在初稿段階
A 論文題目 A 書名
雑誌名 出版社
巻号 論文名
発表年月 発表年月
ページ ページ
著者名 著者名
備考   備考  
B 論文題目 B 書名
雑誌名 出版社
巻号 論文名
発表年月 発表年月
ページ ページ
著者名 著者名
備考   備考