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2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 | |||||
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氏名 | 渡邉 学 | 所属 | 総合政策学部総合政策学科 | ||
研究課題 | 今日の状況下における宗教と倫理 | ||||
研究実績の概要 | |||||
研究計画にしたがって、以下の研究活動を行った。 1)必要な資料や図書の収集と整理。とりわけ、手記やインタビューの入力作業に力を入れた。 2)新宗教の元信者−主にオウム真理教とエホバの証人の脱会者−やプロテスタントの元信者に対するインタビューの実施。とりわけ、エホバの証人の複数の脱会者に対するインタビューを延べ数十時間にわたって集中して行った。 3)すぴこん大阪の調査。(すぴこんはスピリチュアル・コンヴェンションの略称) 4)外部資金によるハーバード大学世界宗教研究センターでの調査(「カルト問題と社会秩序」研究課題番号16320010平成18年度科学研究費補助金 基盤研究(B)(1)研究代表者櫻井義秀(北海道大学大学院文学研究科教授)) 5)「過程としての回心」を執筆。インタビューのテープ起こしを含む原稿は、百数十枚に上っているが、プライバシーに配慮しつつそれを圧縮して報告書を作成した。 研究成果としては以下の5つに集約できる。 1)家族の企図による保護説得と呼ばれる拉致監禁型の強制脱会の試みは違法性の高いものである。ここでは、法的な問題については一応棚上げして、その行為が当該信者や家族にどのような影響を与えるかについて両者に対して長時間インタビューを行い、それに基づいて論文ないし報告書(「過程としての回心」)にまとめた。 2)その際、入信と脱会が比較的短期間に繰り返される状況を具体的に把握することができた。 3)入信と脱会を繰り返す当事者は、家族や社会の中で「根こぎ状態」を体験していて、その中で自らの新たなアイデンティティを求めている可能性が考えられる。 4)また、もともと原理主義的な教団に入信した者でも、さまざまな軋轢を経験して脱会した後は、まず、社会的に問題のある教団から社会的に認められた同様の原理主義的な教団への移行が見られるが、さらに、自らとの和解を経て、よりリベラルな教団に癒しを求めることがあることがわかった。 5)新たに研究協力をしているジェームズ・W・ジョーンズ教授(ラトガース大学・宗教心理学)が治療過程において原理主義的な心性からリベラルな心性への移行を描いているが(同著『聖なるものの精神分析』拙訳、玉川大学出版部、参照)、カルト脱会者の癒しの過程においても同様の移行過程を見出すことができたと考えられる。 |
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「雑誌」の部 | 「図書」の部 | ||||
@ | 論文題目 | 「過程としての回心」 | @ | 書名 | |
雑誌名 | 『カルト問題と社会秩序』 | 出版社 | |||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 2007年3月予定 | 発表年月 | |||
ページ | pp.33〜45 | ページ | |||
著者名 | 渡辺 学 | 著者名 | |||
備考 | 備考 | ||||
A | 論文題目 | A | 書名 | ||
雑誌名 | 出版社 | ||||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
ページ | ページ | ||||
著者名 | 著者名 | ||||
備考 | 備考 | ||||
B | 論文題目 | B | 書名 | ||
雑誌名 | 出版社 | ||||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
ページ | ページ | ||||
著者名 | 著者名 | ||||
備考 | 備考 |